全日本学生自治会総連合 全日本学生自治会総連合の概要

全日本学生自治会総連合

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/10 02:13 UTC 版)

全日本学生自治会総連合
略称 全学連
前身 全日本学生自治会連合
設立 1948年7月6日
設立者 武井昭夫(初代委員長)
種類 日本の学生団体
本部 日本
公用語 日本語
特記事項

以下5つの団体が、それぞれ独自に全学連を名乗っている[1](1999年以降)

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現在、5つの団体がそれぞれ独自に全学連を名乗っている[2][3][1]。2018年現在では、大学の学生自治会の連合組織としての実態はほとんどなく、日本共産党または新左翼党派の傘下の学生団体が全学連を名乗っているとされる[4]

似た名前の「全共闘」は、全学共闘会議の略で直接の関係はない。

概要

5つある各全学連について、以下においてそれぞれの団体ごとに現在の状況を中心に説明する。ここでは上部または関連組織に「系」を付けて便宜的に区別する。なお、各全学連が自らについて記載する場合は、民青系全学連を除いて「全学連(○○委員長)」などと委員長名を併記することで区別するのが通例である。

なお上記の加盟学生自治会は、大学からの公認非公認は問わない。

歴史

1948年に145大学の学生自治会で結成され、当初は日本共産党の強い影響下にあった。しかし、1955年以降は日本共産党への批判派(新左翼)が主流派となった[7]。1960年代には安保闘争などで激しい学生運動を展開したが、その過程で組織が分裂し、1970年代以降は学生運動の指導的地位にあるとは言えない状況にある[7]

全学連大会歴代委員長の一覧についても、全日本学生自治会総連合の歴史を参照。

革マル派系

全日本学生自治会総連合
略称 全学連
設立 1948年
委員長 有木悠祐[8]
関連組織 マルクス主義学生同盟革命的マルクス主義派
ウェブサイト http://www.zengakuren.org/
特記事項 革マル派系
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デモを行う革マル派全学連活動家

革マル派系とされる全学連である。連絡先は創造社(現代文学の社団ではない)。2017年現在13大学14自治会が加盟[5](2016年時点で14大学15自治会[9])。

拠点校・自治会は2005年時点で北海道大学農(非公認)、北教大旭川全学(公認)、帯畜大全学(非公認)、国学院大全学(公認)、早大社学(非公認)・商(非公認)・一文(非公認)・二文(非公認)、津田塾全学(公認)、学習院横国経済(非公認)、愛知大豊橋昼間(非公認)、名大理(非公認)、金沢大教養(非公認)・教育・文(公認)、大経大Ⅰ部・Ⅱ部全学、奈良女全学(公認)、鹿児島大共通教育(非公認)、琉大全学(公認)、沖国大全学(公認)の16大学[10](公認/非公認は2007年時点のもの[11])。2007年時点で、代理徴収制度によって國學院大學(約1500万円)や愛知大学(約800万円)ほどの自治会費を徴収していた[11][12]

しかし後述する大阪経済大学での自治会非公認後、自治会費のうち約70万円が使途不明金となっていることが発覚した[12]。このように過激派の資金源になるという事情から、学内管理の強化に取り組む大学側が徴収制度を廃止、任意支払いを周知徹底したことにより、学生自治会の納入率は年々と低下している[12]

傘下には、首都圏全学連、北海道・北信越・東海・関西・九州地方の各共闘会議と沖縄県学連を持つ[13]

長年、革マル派の拠点校とされた早稲田大学(商学部、社会科学部)では、1990年代から2000年代前半に革マル派と同派の影響力を排除しようとする大学当局との間で激しい対立が続いた。その中で、同全学連の加盟自治会であった商学部自治会が1995年7月に、社会科学部自治会は2005年3月に早稲田大学から公認を取り消された。

同全学連の活動家は、「全学連フラクション (ZF)」に組織され、さらに5年以上ZFで活動したものはマル学同革マル派への加盟が認められることが多い。5年というのはあくまで目安であり、実際にはそれより早くマル学同員となるものも、5年以上活動してもマル学同員になれないものもいる。

学生活動家は同派が借り上げる拠点大学周辺の集合住宅に協働で居住することがあり、2006年には同派が町田市に2億7千万円をかけて鉄筋コンクリート地上6階地下1階建ての居住施設を建設し首都圏の学生活動家を住まわせている[12]

新歓行事を通じてオルグした新入生を集めて「学生マーチ」と称する集会を行うことが恒例となっている[14]

2010年代以降の動向

2010年、早稲田大学において社学自治会を中心に「学費値上げ反対」の署名活動を展開、6月に大学当局に要請文を提出した[15]

2011年9月、加盟自治会に対して代理徴収した自治会費を支払うことを拒否していた大学を、「学生自治・サークル活動を破壊するもの」として批判する緊急声明を発表、同10月より大学に対して自治会費支払いを求める抗議行動を行った[16]

2016年7月、フランス核実験50周年に際して「全学連タヒチ派遣団」を仏領タヒチへ派遣した[5][17]

日本共産党系

全日本学生自治会総連合
略称 全学連
前身 安保反対・平和と民主主義を守る全国学生自治会連合(平民学連)
設立 1964年
関連組織 日本民主青年同盟 
ウェブサイト http://blog.livedoor.jp/zengakuren/
全日本学生自治会総連合 (@zengakuren64) - X(旧Twitter)
特記事項 日本共産党系(民青系)
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日本共産党日本民主青年同盟(民青)系とされる全学連[18][19]で、本部は2014年時点では東京都国分寺市にある[20]。かつては国立市にあった。

2012年5月時点で、実際に同全学連の活動に参加している学生自治会のある大学は8である[3]

2010年代半ば以降、活動を休止しているとされる[6]。以前の公式サイトは消失しており、公式ブログは2015年10月[21]、公式ツイッターアカウントは2016年4月[22]の更新が最後である。以前から同全学連や全国大学院生協議会と連携している奨学金の会[23]のサイトには、全学連中央執行委員長を奨学金の会の副会長としている旨の記載がされているが、サイトの最終更新日は2018年5月である[24]

公式ブログおよびツイッターにて「自分たちのみが正当な全学連であり、他団体は勝手に全学連を名乗っているに過ぎない」とする立場を表明している[22][25]

2017年に週刊ダイヤモンド編集部が中核派全学連委員長へ取材した際、同席した中核派メンバーは、実態をもって学生運動をしている全学連の中に日本共産党系もあると表明した上で、「共産党もシールズ(SEALDs:自由と民主主義のための学生緊急行動)が出てきて以降、全学連とは名乗らなくなりました」[1]との見解を示した。なお、シールズ結成(2015年5月)の後になる2016年2月に、全学連第67回定期全国大会が実施されている[26]

執行役員出身の著名な人物としては、笠井亮衆議院議員)、小池晃参議院議員医師日本共産党中央委員会書記局長)、松竹伸幸ジャーナリストかもがわ出版編集主幹)、紙屋高雪漫画評論家)などがいる。

活動内容

機関紙は「そがく(祖国と学問のために)」(月刊)。一度廃刊となったが、2012年にはコピー機で印刷している。印刷部数はおよそ1000部、定期購読部数は150部以下となっている[3]。そのほかに「全学連新聞」を発行[16]。 2007年より京都府学連を中心として「学費ゼロネット」運動を展開したが、2011年時点で東京・千葉・新潟・愛知・大阪・京都・兵庫・福岡の八都府県に拡大し、同年長野県議会と京都市議会に提出した意見書が可決されている[16]

1990年代後半には、当時の全学連委員長だった坂井希などを中心に「就職難に泣き寝入りしない女子学生の会」が結成され、各地で「リクルートスーツパレード」と呼ばれるデモを行なっていた。

加盟自治会数

2012年3月時点の公式サイトでは、加盟学生自治会の数を170[27]としていた。なお、2012年5月現在で実際に同全学連の活動に参加している学生自治会のある大学は8であった[3]

2012年6月には、同全学連の屋台骨ともいわれていた東京大学教養学部学生自治会が脱退を決議した[28]。同自治会は脱退の理由として共産党および全学連による不当な介入があったこと、全学連の運動観が一面的であり学生の意識を反映していないことなどをあげ、その上で自治会連合体としての実態を失った全学連に分担金を支払うことはできないとした[28]。これが民青系全学連にとどめを刺したと見る向きもある[2][3][29]

また、立命館大学法学部自治会は、2013年6月19日に開会された2013年度法学部定期学生大会において、「全日本学生自治会総連合および京都府学生自治連合脱退に関する特別決議案」を賛成多数によって決議し、脱退した。

2023年1月には、京都大学法学部学生自治会が民青系全学連からの脱退を公表した。2022年12月の学生投票により賛成多数で民青系全学連からの脱退を決定しており、中央執行委員会に脱退の確認を要請したが回答がなかったこと、そのため脱退が承認されたものと見なして脱退とする旨を公表している[30][31]

加盟自治会の分担金

加盟自治会は、加盟分担金を全学連に払うことになっているが、履行しない自治会が多い[3]

2011年ごろの東京大学教養学部学生自治会(教養学部前期課程の学生より構成され、教養学部後期課程の学生は含まれない)の加盟分担金は、全学連加盟分担金合計の約4割を占めることとなった[32]

地方組織

2012年ごろには、東京都学生自治会連合(都学連)、京都府学生自治会連合[33][34]、愛知県学生自治会連合等があり、都学連には東京学芸大学東京農工大学が、京都府学連には立命館大学京都市立看護短期大学など、愛知県学連は日本福祉大学名古屋大学などの自治会が加盟していた。京都府学生自治会連合は2014年に活動を休止している[34]。愛知県学生自治会連合は、2016年12月まで公式twitterの更新をしていた[35]ほか、2016年12月には愛知県議会に対して給付型奨学金制度の導入に関する請願活動を行っていた[36]。2018年現在では、前記3地方組織のHPは閉鎖されているか、更新が途絶えている。


  1. ^ a b c d 「革命」は現代でも起こせる、中核派・全学連委員長が激白(4)(取材:週刊ダイヤモンド編集部)、2018年6月20日閲覧
  2. ^ a b 東大自治会が全学連脱退 「共産党、不当支配」」『産経新聞』 2012年6月17日配信。(2012年6月18日時点のアーカイブ
  3. ^ a b c d e f 代々木小夜 「ついにとどめを刺される「全学連」-東大の自治会が引き起こす社会運動史上の大事件とは」『JBpress』 2012年5月24日配信。
  4. ^ a b c d 小林哲夫. “中核派・全学連のトップに現役東大2年生が就任 新委員長の高原恭平氏インタビュー” (日本語). AERA dot.. https://dot.asahi.com/articles/-/99914?page=1 2018年9月3日閲覧。 
  5. ^ a b c d e f g h i j k l m (国内動向 2017)
  6. ^ a b 小林 哲夫 『平成・令和 学生たちの社会運動』 光文社 2021年1月 340ページ
  7. ^ a b 似田貝香門「全学連」『日本大百科全書』 JapanKnowledge Libにて閲覧 2017年5月8日
  8. ^ 全学連(革マル派)公式サイトの委員長名(閲覧 2021年3月14日)
  9. ^ a b c (国内動向 2016)
  10. ^ a b c 学生青年運動 2011b.
  11. ^ a b 学生青年運動 2007b.
  12. ^ a b c d 学生青年運動 2007c.
  13. ^ 堀部 2006.
  14. ^ 学生青年運動 2003.
  15. ^ a b c 学生青年運動 2010a.
  16. ^ a b c d e 学生青年運動 2011a.
  17. ^ 革共同革マル派機関紙 「解放」第2432~2433合併号 1面”. www.jrcl.org. 2023年8月7日閲覧。
  18. ^ 「全学連各派:学生運動事典」(双葉社、1969年)、p448
  19. ^ 「全学連と全共闘」(講談社、高木正幸、1985年)p77
  20. ^ 全日本学生自治会総連合 (2014年7月14日時点のアーカイブ
  21. ^ 学費・雇用WEBアンケート2015にご協力ください、全日本学生自治会総連合(民青系)公式ブログ(2015年10月31日)、2017年5月26日閲覧
  22. ^ a b 全日本学生自治会総連合(民青系)の2016年4月12日のツイート
  23. ^ 奨学金の会ニュースNo.96 (奨学金の会 2016年5月26日発行)2019年8月13日閲覧
  24. ^ プロフィール|奨学金の会(2021年1月30日閲覧)最終更新日は、奨学金の会の公式サイトの新着情報(2021年1月30日閲覧)による。
  25. ^ 「全学連」を勝手に名乗る過激派にご注意ください、全日本学生自治会総連合(民青系)公式ブログ(2015年8月13日)、2017年5月1日閲覧
  26. ^ 全学連第67回定期全国大会を東京都内にて行います第67回定期全国大会、無事成立
  27. ^ 全学連(民青系) 「そもそも自治会・全学連ってなに?」(2012年3月26日時点のアーカイブ
  28. ^ a b (国内動向 2012)
  29. ^ 石丸整 「全学連:「東大教養学部自治会」が脱退決議」『毎日新聞』 2012年06月14日21時33分配信(毎日jp)(2012年6月18日時点のアーカイブ
  30. ^ 法自治会学生投票 8票差で成立 遠隔授業併用など要求へ 2022.12.16公表 京都大学新聞社
  31. ^ 京都大学法学部学生自治会の公告京都大学法学部学生自治会の公告2023年1月22日公表 京都大学法学部学生自治会常任委員会
  32. ^ 共産党員、自治会人事を掌握 東大・中国人学生が反旗」『産経新聞』 2012年6月17日配信。(2012年6月18日時点のアーカイブ
  33. ^ https://web.archive.org/web/20090102230450/http://www.geocities.jp/fugakuren/ 2018年12月9日閲覧
  34. ^ a b http://blog.livedoor.jp/k_fugakuren/ 2018年12月9日閲覧
  35. ^ 愛知県学生自治会連合 (@aichikengakuren) - X(旧Twitter) 2018年12月9日閲覧
  36. ^ 愛知県議会-委員会情報平成28年12月定例議会の委員会の概要にて、「愛知県に給付型奨学金制度の導入などを求める」の請願者として愛知県学生自治会連合の執行委員長名が記載されている。 2018年12月9日閲覧
  37. ^ a b c 学生青年運動 2007a.
  38. ^ 西久保 2008.
  39. ^ 沖縄大学学生自治会ビラ
  40. ^ 京都大学平成24年6月22日付告示
  41. ^ 教養学部学生自治会と全日本学生自治会総連合との関係について「東京大学教養学部学生自治会の公式ツイート」 2018年9月3日公表
  42. ^ 全日本学生自治会総連合「2011年全学連執行体制」2011年9月11日 2019年8月14日閲覧
  43. ^ a b (国内動向 2013)
  44. ^ a b c d e f 萩原 2014.
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  47. ^ (国内動向 2015)
  48. ^ “全学連メンバーへの警察官の暴行認め賠償命じる 東京地裁”. 神戸新聞. (2021年5月31日). https://www.kobe-np.co.jp/news/zenkoku/compact/202105/sp/0014375446.shtml 
  49. ^ “警察官の全学連活動家制止は「適法」、都が逆転勝訴 東京高裁”. 産経新聞. (2022年7月21日). https://www.sankei.com/article/20220721-2XNZS7STUBL5JNXMQOKR43F2OA/ 2022年7月22日閲覧。 
  50. ^ “全学連側、逆転敗訴が確定 警視庁の集会参加者制止”. 産経新聞. (2023年9月21日). https://www.sankei.com/article/20230921-Y3LKZPPM6RJAROFZSAE22GA3MI/ 2023年9月21日閲覧。 
  51. ^ 平成31年4月21日執行 杉並区議会議員選挙 投開票結果のお知らせ”. 2019年5月30日閲覧。
  52. ^ a b 高原氏による全学連運動の破壊に対する弾劾声明 全日本学生自治会総連合中央執行委員会 2021年3月15日公表
  53. ^ 全日本学生自治会総連合(伍代委員長)
  54. ^ 全日本学生自治会総連合(伍代委員長) 資料室
  55. ^ 11・29 全学連第54回定期全国大会の圧倒的成功かちとる、解放 1165号3面(2015年12月17・24日づけ)、2017年5月1日閲覧
  56. ^ a b 学生青年運動 2010b.
  57. ^ (菅 1982, p. 75)
  58. ^ (菅 1982, p. 101)


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