ザクレロ ザクレロの概要

ザクレロ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/16 23:01 UTC 版)

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作中の敵勢力であるジオン公国軍の大型機動兵器「モビルアーマー (MA)」のひとつ。牙の生えた大口を開けた「顔」のような黄色い本体に、カマキリのように前腕が刃物状になった1対の腕が付いた独特な外観が特徴である。

本記事では、その後の外伝作品に登場するバリエーション機などについても取り上げる。

設定解説

諸元
ザクレロ
ZAKRELLO
型式番号 MA-04X
所属 ジオン公国軍
製造 MIP
生産形態 試作機
全長 25m[2]
全備重量 185t[2]
装甲材質 超高張力鋼
(超硬スチール合金[3]
出力 180,000馬力[3]
最高速度 マッハ5.2[3]
武装 ヒートナタ(ザクレロカッター[2])×2
拡散ビーム砲×1
4連装ミサイルランチャー×2
搭乗者 デミトリー

ジオン軍の宇宙戦用MA[4]ビグログラブロに先駆けて開発された[5]。開発に当たっては、ヨッフム家が資金的な援助を行った[6]。数度に渡る設計変更や開発メーカーの不手際などが重なり、大幅に遅れて完成した[5]。メインカメラはモノアイではなく複眼を採用[4]。高速で移動し、拡散メガ粒子砲またはヒート・ナタで敵機を撃破する一撃離脱戦法が想定されていた[7]。大推力のスラスターを有するが、機体背部の姿勢制御バーニアをもってしても短時間の姿勢転換は難しかった[7][注 1][注 2]。加えてメガ粒子砲の仕様もあり、小型宇宙艇レベルの機体と判断されたザクレロは制式採用には至らず、宇宙空間でのテストを前に開発途中で放棄された[7]。軍が機体性能に疑問を持ったため型式番号を与えなかったとも言われていたが[5]、その後MA-04Xという型式番号が設定されている[9]

開発放棄後は各種武装のテストベースに用いられ、キャリフォルニアベース第3テストセンターで拡散メガ粒子砲のテストが4回行われている[5]。その後、ザンジバル級機動巡洋艦に搭載され、フロリダのケープカナベラル宇宙基地からジオン本国へ送られることになったが、その途中で無断出撃により失われている[5]大気圏外でのテストを行う予定だったが、搭載後に急遽廃棄が決定したとも言われている[要出典]

武装・装備

拡散メガ粒子砲
「拡散ビーム砲」と記述した資料も存在する[4]。機体中央に装備。連射は可能であるものの、射程が短いという欠点を持つ[7]。なお、搭載されたパワーコンデンサーにより長時間の使用が可能[9]。この技術は後に移動砲座スキウレに流用されている[9]
ヒート・ナタ
「大型ヒート・クロー」と記述した資料も存在する[10]。腕部に装備するヒート系兵装[7]ヒートホークの応用によって作られた[4]

劇中での活躍

ホワイトベースが再び宇宙へ上がった第31話にて、トクワン大尉がシャア・アズナブルにビグロを披露した際、彼の説明の中に「ザンジバルに搭載されている、試作段階で放棄されたMA」の存在についての言及があった後、32話の冒頭にてその全貌をあらわす。本機のテストパイロットでもあったジオン軍兵士のデミトリー曹長が、先にビグロに搭乗して戦死した上司トクワンの敵討ちのため、急遽指揮官となったシャアの命令を無視して単機で出撃。黄色のボディーカラーで、デミトリーのパーソナルマークである射抜かれたハートが左肩を飾っている。その個性的なフォルムと機動性を生かし、ヒート・ナタでハヤトのガンタンクの胴体中央付近にダメージを与え、MAモードで出撃したガンダム関節ヒンジを破壊し、かつ直撃したはずのビーム・ライフルを反射するなど善戦するが、結局はアムロ・レイに動きを読まれ、メインエンジンにビームサーベルを突き刺されてあっけなく撃破される。

シャアはトクワンの報告を聞いていたにもかかわらず、デミトリーの出撃をとりなすマリガン少尉へのザクレロの存在を聞いていないという台詞があり、撃破された後も惜しむ素振りすら見せていない。これらシャアの劇中での対応に加え、劇場版では登場シーンが全てカットされた。TVアニメ『機動戦士Ζガンダム』では、地球降下作戦時の未確認機(メッサーラ)の照合の際、一瞬モニターにワイヤーフレーム図面が表示されている。

関連作品への登場

メカデザインが変更されて登場する作品もあり、劇場アトラクション『GUNDAM THE RIDE』では、ア・バオア・クー宙域に出現するメデューサ隊機(大河原による描き下ろしデザイン)にはビーム発射口にシャッターが付いていた。また、漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、量産MAとして多数ソロモン宙域に配備されている。背中とブースター前面には小型ミサイルランチャー(姿勢制御バーニアとする資料もある)、ブースター支持架にはガトル戦闘爆撃機同様の多連装ミサイル発射管が内蔵され、さらに普段は閉じている口に装備された拡散ビーム砲によって、ジム部隊と互角以上にわたり合う。「オデッサ編」では、核弾頭を搭載した本機に酷似した爆撃機も登場している。ゲーム『SDガンダム GGENERATION SPIRITS』『GGENERATION WARS』では、「ガンダムFACT FILE」にて掲載された鋭角的なリファイン版のデザインで登場している。

書籍『MS ERA 0001〜0080 ガンダム戦場写真集』では大きくリファインされたイラストが掲載された。「目」や「牙」はノーズアートとして処理されており、モノアイ・レールらしきものが追加され、拡散メガ粒子砲は確認できない。腕部はヒート・ホーク状にアレンジされている。機体色は白となり原型機とはイメージがかなり異なるが、左肩の「ハートと矢」のエンブレムは活かされている(ただしハートはひとつで割れており、上部に "HEART BREAKER" と記されている)。

短編小説集『ガンダムNOVELS―閃光となった戦士たち』に収載されている『道化師たちの夜』では、ザクレロ開発に多額の援助をしていたジオン公国の名家ヨッフム家の様子が描かれている。

漫画『Gの影忍』では、戦いの虚しさに気付き世捨て人となった元兵士が搭乗、両腕を鎌に変えて装備したのみを用いて小惑星に仏像を彫っている。

パロディ作品では恰好のネタキャラクターとして重宝される傾向にあり、「SDガンダムシリーズ」では、関連コミック等でオチとして登場する機会も多い。『SD戦国伝』シリーズの「千生将軍」「うっかりざくれろ」、『SDガンダム外伝 ジークジオン編』の「ザクレロキャット」等、一目でそれとわかる特徴的なビジュアルを生かしたバリエーションキャラクターも多数生み出された。また、漫画『トニーたけざきのガンダム漫画』では、カラーリングが赤でツノの付いたシャア専用ザクレロが登場(搭乗者はデミトリー)。シャアには「作った人間の顔が見てみたい」と馬鹿にされ、セイラ・マスは「ジオン軍のびっくりどっきりメカ」と驚く。劇場版準拠のブライト・ノアたちにザクレロの存在自体を否定され、デミトリーは「俺はこの世にいない人間なのさ」と言って涙する。

また『模型戦士ガンプラビルダーズ ビギニングG』第3話にて、量産型ザクをコアユニットに、ガンダム0083に登場したガンダム試作3号機の追加装備であるオーキスの様な形態で登場する。

機動戦士ガンダム サンダーボルト』漫画版のア・バオア・クー戦に大量のザクレロが登場する描写があるが、アニメ版のサンダーボルトにはザクレロは登場しない。

設定の変遷

ザクレロには、拡散ビーム砲といった考証と相容れない設定を監督の富野由悠季が盛り込んだことで、登場回脚本とSF考証を務めた松崎健一は「無条件にどうしようもないオモチャ」と本機を語っている[11]

ザクレロは朝鮮戦争時のシャーマン戦車に描かれた虎のマーキングを元に大河原邦男がデザインした[要出典]

ザクレロの型式番号は、劇場版では登場しないためかつけられることはなく、アニメ雑誌ではMA-04という番号がつけられていた[要出典]。直後の『MSV』においては型式番号がなかったことにされていたが、1980年代後半頃に試作機のXを入れた型式番号「MA-04X」が再度設定されている。また両腕の鎌は、元々はアイアンネイルのような通常の刃物という設定だったため、劇中で鎌が高熱化及び発光する描写は見られないが、後にヒートナタという設定になっている。『ギレンの野望』では武装名が「シックルアーム」となっている。

ガザレロ

ゲーム『SDガンダム GGENERATION』シリーズに登場するアクシズが開発したニュータイプ専用試作MA[6]

アクシズへ逃れたフラナガン機関スタッフが開発した機体で、MA-04X ザクレロの流れを汲んでいる。メガ粒子砲やオールレンジ兵器ビット、それを運ぶトランスポーター・ビットが搭載しており遠距離攻撃性能に優れている。アクシズが少人数ゆえに精鋭のニュータイプ部隊による一騎当千を模索していた過渡期における機体であり、ゲーマルクとは技術的な繋がりを持つと言われる[6]


注釈

  1. ^ 背部装備をスプレー・ミサイル・ランチャーとする資料もある[8]
  2. ^ メインエンジンとバーニアの推力不足から、加速性能・運動性能ともに良好では無かったとする資料もみられる[5]

出典

  1. ^ 機動戦士ガンダム公式Web - ザクレロ
  2. ^ a b c 『テレビマガジン』1981年2月号付録『機動戦士ガンダム大事典』上巻(講談社)
  3. ^ a b c 『講談社ポケット百科シリーズ15 ロボット大全集1 機動戦士ガンダム』(1981年)
  4. ^ a b c d 『機動戦士ガンダム宇宙世紀 vol.2 大事典編』ラポート、1998年9月、72頁。(ISBN 4-89799-294-X)
  5. ^ a b c d e f 『機動戦士ガンダム モビルスーツバリエーション(2) ジオン軍MS・MA編』講談社、1984年4月30日、2006年7月(復刻版)、138-139頁。ISBN 978-4063721768
  6. ^ a b c 『月刊ガンダムエース』2005年8月号、角川書店、369頁。
  7. ^ a b c d e 皆河有伽『総解説ガンダム辞典Ver1.5』講談社、2009年8月、188頁、ISBN 978-4063757958
  8. ^ 『テレビマガジン』1983年1月号付録「超メカロボット大事典」講談社、81頁。
  9. ^ a b c 『ENTERTAINMENT BIBLE .1 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.1 一年戦争編】』バンダイ、1989年2月20日、125頁。(ISBN 4-89189-006-1)
  10. ^ 『機動戦士ガンダム MS大全集2015』メディアワークス、2015年6月発売、295頁。(ISBN 978-4048650960)
  11. ^ ロマンアルバム・エクストラ42『機動戦士ガンダム劇場版』103頁、112頁 徳間書店
  12. ^ a b c d 『機動戦士ガンダムMSV-R ジオン編』角川書店、2014年2月、46-47頁。ISBN 978-4-04-121018-5
  13. ^ a b c d e 『機動戦士ガンダムMSV-R ジオン編』角川書店、2014年2月、114-115頁。ISBN 978-4-04-121018-5
  14. ^ 【U.C. ENGAGE】今明らかになる新たなるガンダムと新主人公、Youtube。


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