ザクレロ ウムガルナ

ザクレロ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/16 23:01 UTC 版)

ウムガルナ

小説『機動戦士ガンダム ブレイジングシャドウ』に登場するザクレロの発展機。型式番号はMA-04-X-3。

サイド4を拠点にテロ活動を続けるジオン残党軍部隊「ファラク」によって開発された機体で、高速巡航モードから各種武器を展開した戦闘モードへの変形機構を有している。また、尾部にミサイルを内蔵したコンテナユニットを多数繋ぎ合わせる事もでき、口腔内のメガ粒子砲やヒート・ナタも相俟って高い戦闘力を有している。

普段は旗艦であるムサイに格納されているが、多数のコンテナと連結した姿は白いカラーリングと相俟って大蛇を彷彿とさせる奇抜な外見となる。

新人類戦闘力試験用モビルアーマー

美術展『GUNDAM―来たるべき未来のために―』にて設定されたMA。フラナガン機関ニュータイプの戦闘能力を確認するために試作を提案した、ザクレロの改造機である。型式番号MSN-00Xと「バチザード」の愛称が与えられたが真偽は不明で、機体が実際に製作されたかどうかも定かではない。

MSパイロットの反応速度に関する研究の過程でニュータイプらしき兆候を示す者が見出されたことから、フラナガン機関では彼らの軍事利用についても研究するようになり、そのための実験機の開発が計画された。対象者の多くがまだ若く、軍人としての訓練を受けていなかったため、機体の操縦は本職のパイロットに任せ、攻撃のみを担当させる複座式とすることが考えられた。なお、この設定ではザクレロはもともと複座式だったとしている。

本来ならば専用機を一から開発するのが望ましかったが、戦況と研究予算の両面で余裕がないため、未完成のザクレロ型試作機をベースに改造することになった。主な改造点は以下の通りである。

  1. メインカメラをモノアイ式に変更
    改造ベースとなるザクレロ型試作機は、本体は完成したもののコストが高い複眼式メインカメラが未搭載のままになっており、これにモノアイを2基搭載して2人の搭乗者にそれぞれ1基ずつを割り当てる。
  2. 口部メガ粒子砲の廃止、遠隔攻撃用ビットの搭載
    それぞれモノアイを備えた無線式ビットを2基、口の中に搭載する。
  3. ヒート・ナタの廃止、格闘戦機能付攻撃ビットの搭載
    近接戦闘も可能な有線式ビットを本体両脇に各1基・計2基搭載する。
  4. 運動性能の向上
    バーニアユニット後部の形状を改良して推力の向きを変えられるようにする、重心を下げるなど。
  5. Iフィールド発生器の搭載
備考

前述の美術展の展示物に「フラナガン機関の実験施設を再現した」と称するものがあり、そこに置かれている実験結果に関するレポートの中でこの機体の開発コンセプトが紹介されている。また、この展示物では実験自体も再現しており、見学者が被験者として参加することができた。なお、会場で販売されたカタログは、フラナガン機関研究員のカンカンゼ・ソルベウンムがキシリアに提出した論文という設定で本機の設計についての詳細が解説されている。

ブラレロ

メカニックデザイン企画『MSV-R』で登場。形式番号はMAN-00X-2。

ニュータイプ専用MA・ブラウ・ブロで実用化に成功したサイコミュシステムと有線型メガ粒子砲の小型化と、その搭載機の量産化を目的とした機体で、わずか1か月ほどでザクレロの試作機より改造される[12]。完成後はア・バオア・クーに送られ[12]、ニュータイプ兵士の練習用として運用される[13]。コクピットはタンデム式に変更され、ニュータイプ能力が発揮されない場合は通常パイロットによる操縦も可能[13]。大戦末期には実戦にも参加したとされるが[12]、稼働した時間の記録等は残されておらず、フラナガン機関が有していた機体の設計図のみが確認されている[13]

武装・装備
拡散メガ粒子砲
口部に引き続き装備するが、非使用時はシャッターで遮蔽される後期型となっている[12]
ヒートナタ
腕部を改修し有線コントロール対応となった。メガ粒子砲の出力不足に備えた装備であるが、実戦での効果は確認されていない[13]
有線式サイコミュ
機体上下に計2基装備する。ブラウ・ブロの有線ビーム砲を小型化したもので、エネルギーはブラレロ本体のパワーコンデンサーから供給される[13]
作中での活躍
ゲーム『機動戦士ガンダム U.C. ENGAGE』のストーリーモードでは、ペッシェ・モンターニュ軍曹がパイロットを務める[14]

注釈

  1. ^ 背部装備をスプレー・ミサイル・ランチャーとする資料もある[8]
  2. ^ メインエンジンとバーニアの推力不足から、加速性能・運動性能ともに良好では無かったとする資料もみられる[5]

出典

  1. ^ 機動戦士ガンダム公式Web - ザクレロ
  2. ^ a b c 『テレビマガジン』1981年2月号付録『機動戦士ガンダム大事典』上巻(講談社)
  3. ^ a b c 『講談社ポケット百科シリーズ15 ロボット大全集1 機動戦士ガンダム』(1981年)
  4. ^ a b c d 『機動戦士ガンダム宇宙世紀 vol.2 大事典編』ラポート、1998年9月、72頁。(ISBN 4-89799-294-X)
  5. ^ a b c d e f 『機動戦士ガンダム モビルスーツバリエーション(2) ジオン軍MS・MA編』講談社、1984年4月30日、2006年7月(復刻版)、138-139頁。ISBN 978-4063721768
  6. ^ a b c 『月刊ガンダムエース』2005年8月号、角川書店、369頁。
  7. ^ a b c d e 皆河有伽『総解説ガンダム辞典Ver1.5』講談社、2009年8月、188頁、ISBN 978-4063757958
  8. ^ 『テレビマガジン』1983年1月号付録「超メカロボット大事典」講談社、81頁。
  9. ^ a b c 『ENTERTAINMENT BIBLE .1 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.1 一年戦争編】』バンダイ、1989年2月20日、125頁。(ISBN 4-89189-006-1)
  10. ^ 『機動戦士ガンダム MS大全集2015』メディアワークス、2015年6月発売、295頁。(ISBN 978-4048650960)
  11. ^ ロマンアルバム・エクストラ42『機動戦士ガンダム劇場版』103頁、112頁 徳間書店
  12. ^ a b c d 『機動戦士ガンダムMSV-R ジオン編』角川書店、2014年2月、46-47頁。ISBN 978-4-04-121018-5
  13. ^ a b c d e 『機動戦士ガンダムMSV-R ジオン編』角川書店、2014年2月、114-115頁。ISBN 978-4-04-121018-5
  14. ^ 【U.C. ENGAGE】今明らかになる新たなるガンダムと新主人公、Youtube。


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