カナダドル 硬貨

カナダドル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/19 20:01 UTC 版)

硬貨

現在、5・10・25・50セント、1ドル・2ドル硬貨が発行されている。このうち50セントは殆ど流通していない。

2013年2月4日に、1セント硬貨が廃止された[9]。現金取引の場合のガイドラインは、1セント単位は「二捨三入、七捨八入(スウェディッシュ・ラウンディング)」で0か5へ切り上げ、または切り下げされる。なお、クレジットカードデビットカードなどのカード決済、電子マネーでの決済、ならびに小切手で決済する場合は、この限りではなく、切り上げ・切り下げは行われない[10]

  • 2ドル (Toonie)[11]
表面:エリザベス2世女王、裏面:白熊
  • 1ドル (Loonie)
表面:エリザベス2世女王、裏面:ルーン(国鳥)
  • 50セント:通常ほとんど流通していない。
表面:エリザベス2世女王、裏面:カナダの国章
  • 25セント (quarter)
表面:エリザベス2世女王、裏面:カリブー(トナカイ)
  • 10セント (dime)
表面:エリザベス2世女王、裏面:ブルーノーズ(ノヴァスコシアスクーナー船。帆船の一種)
  • 5セント (nickel)
表面:エリザベス2世女王、裏面:ビーバー
  • 1セント (penny):2013年2月4日に硬貨が廃止された[9]
表面:エリザベス2世女王、裏面:メイプルリーフサトウカエデの葉)

エリザベス女王の面にあるD.G. REGINAとは、女王の称号のラテン語「神の恩寵による女王(Dei Gratia Regina)」の略。

硬貨の肖像画

カナダの硬貨には過去から継続してカナダの国家元首であるイギリス国王の肖像画が使われている。特に2003年まではイギリスの硬貨と同じ肖像画(すなわちイギリス人画家による)が使用されていたが、カナダでは2004年よりカナダ人画家の作品が初めて採用された。下記はその変遷。

若い頃の女王と成長した女王の二種類の肖像がある
リースをかぶった女王。メアリー・ギリック(Mary Gillick)作。
ティアラ(Girls of Great Britain and Ireland Tiara [:en])をかぶった女王。アーノルド・マチン(Arnold Machin)作。このティアラは結婚祝いに祖母であるメアリー王妃(ジョージ5世の妃)に貰ったもの。
ジョージ4世王冠(George IV State Diadem [:en])をかぶった女王。ラファエル・マクルーフ(Raphael Maklouf)作。この王冠はイギリス議会開会の際に使われるもの。
  • 2004年-現在 エリザベス2世
王冠をかぶっていない女王。初めてカナダ人による、カナダ・オリジナルの肖像画が採用された。スザンナ・ブラント(Susanna Blunt)作。

記念硬貨

カナダの硬貨には、コレクター用のみならず実際に流通している特別版が過去にいくつか発行されている。また下記の他にも毎年、通常の硬貨と同様に流通される記念硬貨が発行されている。

  • 1943年:「ヴィクトリー・ニッケル」第二次世界大戦カナダ軍の健闘を讃えた5セント硬貨。
  • 1967年:カナダ建国100周年記念硬貨
  • 1973年:「マウンティー・クウォーター」王立カナダ騎馬警察(RCMP)100周年記念25セント硬貨。
  • 1999年-2000年:2000年のミレニアムコイン。デザインはカナダに住む住民から募集された。月一つ、新しいコインを流通。25セント硬貨。
  • 2001年:ボランティアをする人々が描かれた10セント記念硬貨。
  • 2005年:第二次世界大戦の戦後60周年記念5セント硬貨。
  • 2007年-2010年:2010年バンクーバーオリンピック開催記念。25セント硬貨を15種、「ラッキー・ルーニー」と呼ぶ1ドル硬貨を2008年と2010年に1種ずつ発行。
  • 2012年:カナダオリンピック委員会ロゴ入りの「ラッキー・ルーニー」を発行。

新技術

王立カナダ造幣局(Royal Canadian Mint)はさまざまな新技術を使用した新しい硬貨を導入している。

  • 世界最初の流通用カラー硬貨:2012年現在、カナダ造幣局は通常流通用のカラー硬貨を発行した世界最初(で唯一)の造幣局。2004年、赤いヒナゲシの記念25セント硬貨を発行。その後も2006年にピンクリボンをあしらった乳がん撲滅キャンペーン記念25セント硬貨を発行した。
  • 世界最初の非対称流通用カラー硬貨:2009年の冬季オリンピック選手記念25セント硬貨、2011年のカナダの伝説上の動物記念25セント硬貨(3種)を発行した。

変遷

  • 1996年2月:2ドル硬貨発行
  • 2001年1月:新10ドル札を発行
  • 2002年3月:新5ドル札を発行
  • 2004年3月:新100ドル札を発行
  • 2004年9月:新20ドル札を発行
  • 2004年11月:新50ドル札を発行
  • 2005年5月:新10ドル札の偽造防止強化版を発行
  • 2006年11月:新5ドル札の偽造防止強化版を発行
  • 2012年4月:1ドル硬貨、2ドル硬貨の偽造防止強化版を発行[12]
  • 2012年5月4日:1セント硬貨製造終了
  • 2013年2月4日:1セント硬貨を廃止[13]

  1. ^ 通貨の取引量が多いのはどの通貨?-OANDA証券株式会社-
  2. ^ 1871 – Uniform Currency Act”. Canadian Economy Online, Government of Canada. 2008年2月18日閲覧。
  3. ^ Bank Notes Past and Present Bank of Canada
  4. ^ Bank of Canada Issues $5 and $10 Polymer Bank Notes Bank of Canada
  5. ^ Polymer series”. Bank of Canada. 2011年6月20日閲覧。
  6. ^ Polymer Series Fact Sheets - Bank of Canada [1]
  7. ^ a b c Harrison, Jeremy. “Bank of Canada Unveils Polymer Bank Note Series: Celebrating Canada’s Achievements at the Frontiers of Innovation”. Bank of Canada. 2011年6月20日閲覧。
  8. ^ 新1万円札は使われるのか”. ARC WATCHING 2019年6月号. 2020年11月4日閲覧。
  9. ^ a b “1セント硬貨は不要? カナダが廃止、米国は存続派が優勢か” (日本語). CNN. (2013年2月5日). http://www.cnn.co.jp/usa/35027858.html?tag=cbox;usa 2017年6月2日閲覧。 
  10. ^ 王立カナダ造幣局 "Phasing out the Penny" [2]
  11. ^ Loonie and Toonie have evolved
  12. ^ [3]
  13. ^ “1セント硬貨は不要? カナダが廃止、米国は存続派が優勢か”. CNN (CNN). (2013年2月5日). http://www.cnn.co.jp/usa/35027858.html 2013年2月5日閲覧。 


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