出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/29 19:45 UTC 版)
温度による表示
完全な熱力学関数としてのエンタルピーの変数はエントロピー S、圧力 p、物質量 N であるが、実用上はエントロピー S に変えて熱力学温度 T を変数として表されることが多い。閉鎖系で物質量の変化を考えない場合には、エンタルピー H(T,p) の温度による偏微分は
として等圧熱容量で与えられる[4]。一方、エンタルピー H(T,p) の圧力による偏微分は
として、体積を温度と圧力で表した状態方程式によって表される。この関係式は熱力学的状態方程式と呼ばれる。
熱膨張係数 α で表せば
となる。
気体のエンタルピー
低圧領域において実在気体の状態方程式をビリアル展開
の形で書くと、エンタルピーの圧力による偏微分は
となる。従って、低圧領域においてエンタルピーは
で表される。ここで
である。