塩化ベンザルコニウム [Benzalkonium chloride]
塩化ベンザルコニウム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/10 00:07 UTC 版)
塩化ベンザルコニウム | |
---|---|
![]() | |
Alkylbenzyldimethylammonium chloride | |
別称 逆性石けん、陽性石けん | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 8001-54-5 |
KEGG | D00857 |
出典 | |
医薬品インタビューフォーム塩化ベンザルコニウム液 | |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
塩化ベンザルコニウム(えんかベンザルコニウム、benzalkonium chloride)は、陽イオン界面活性剤の一種。示性式が C6H5CH2N+(CH3)2R•Cl− (R = C8H17~ C18H37、長鎖アルキル)と表される四級アンモニウム塩の混合物。水溶液は日本薬局方収載医薬品で逆性石鹸として殺菌・消毒用に用いられる。
消毒薬として本物質を有効成分とする逆性石鹸液は、オスバン、ヂアミトールなどの商品名で 50%、10%、ほか低濃度の水溶液が市販されている。
用途
手指、粘膜、機器消毒の用途に使われる。消毒効果は以下のとおり[1][2]。
- グラム陽性菌・グラム陰性菌 - 一般的に有効
- 真菌 - 一部有効、一部無効
- エンベロープを有するウイルス - 一部有効、一部無効
- 緑膿菌 - 抵抗性または無効
- バークホルデリア・セパシア - 抵抗性
- セラチア - 抵抗性
- アクロモバクター・キシロソキシダンス - 抵抗性
- 結核菌・マイコバクテリウム属 - 無効
- その他のウイルス全般 - 無効
- その他の芽胞を持つ細菌 - 無効
また逆性石鹸という消毒剤の性質上、石けんなど陰イオン界面活性剤の併用で作用が減弱する(非イオン界面活性剤はこの限りでない[2])。外用消毒剤のため、経口投与や浣腸には使用しない[3]。
作用機序
塩化ベンザルコニウムは、細菌細胞膜のリン脂質に吸着し細胞膜の流動性を増加させ細胞膜をバーストさせる。細胞膜の酵素機能を不活性化する。また、細胞のタンパク質を変性させることによって、殺菌性を発揮する。以上は界面活性剤タイプの消毒剤に共通の作用機序と考えられている[2]。
アルキル側鎖がC12H25の塩化ベンザルコニウム(ベンジルドデシルジメチルアンモニウムクロライド、通称:BDDAC)が有機物存在下で最も作用が強い。
合成
アルキルアミンをアセトアルデヒド/ギ酸と反応させたあと、塩化ベンジルと反応させる。
塩化ベンザルコニウム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/24 00:05 UTC 版)
「陽イオン界面活性剤」の記事における「塩化ベンザルコニウム」の解説
低濃度の水溶液が「オスバン」、「ヂアミトール」等の商品名で逆性石鹸として使用されている。
※この「塩化ベンザルコニウム」の解説は、「陽イオン界面活性剤」の解説の一部です。
「塩化ベンザルコニウム」を含む「陽イオン界面活性剤」の記事については、「陽イオン界面活性剤」の概要を参照ください。
塩化ベンザルコニウムと同じ種類の言葉
固有名詞の分類
- 塩化ベンザルコニウムのページへのリンク