陰イオン界面活性剤とは? わかりやすく解説

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いんイオン‐かいめんかっせいざい〔‐カイメンクワツセイザイ〕【陰イオン界面活性剤】


陰イオン界面活性剤

活性剤のうち,電離し陰イオンになる性質のものをいい,通常使用されている合成洗剤は,陰イオン活性剤主成分とするものが多い。その代表はABSアルキルベンゼンスルホン酸塩)です。

陰イオン界面活性剤

界面活性剤は、1つ分子内に溶けやすい部分と油に溶けやすい部分合わせもっている物質です。そのうち水溶性部分水中陰イオンとなるものが一般に洗剤として多く使用されており、これらは陰イオン界面活性剤と呼ばれてます。水道水基準では、「0.2mg/リットル以下」と定められています。

陰イオン界面活性剤

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/24 00:05 UTC 版)

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陰イオン界面活性剤(いんイオンかいめんかっせいざい、Anionic surfactant)または、アニオン界面活性剤は、陰イオン性の親水基を持つ界面活性剤

構造・性質

親水基としてカルボン酸、スルホン酸、あるいはリン酸構造を持つものが多い。

洗浄力が強く、優れた起泡性を持つため石鹸衣料用洗剤シャンプー等に使われるが、乳化力は油への溶解性が低いため、非イオン界面活性剤に比べると劣る。

主な陰イオン界面活性剤

界面活性剤の一覧も参照。

  • カルボン酸型 R−COOM+
    対イオンがナトリウムカリウムのものは石鹸として使用される。炭素数が12~18の脂肪酸が多い。
  • ABS、LAS: R−C6H4−SO3Na+
    衣料用洗剤や工業用各種洗剤として使用される。以前はABSを使用していたが、河川の発泡問題による水質汚染を引き起こしたため、生分解性の良いLASに切り替えられた。
  • スルホン酸型 R−SO3Na+
  • 硫酸エステル型 R−O-SO3Na+
  • リン酸エステル型 R−O-PO(OH)OM+

合成

アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム

合成にはフリーデル・クラフツ反応を用いる。 Rはアルキル基。

  1. 付加
    R + C6H6 → R-C6H5
  2. 求電子置換反応
    R-C6H5 + H2SO4 → R-C6H4-SO3H + H2O
  3. 中和
    R-C6H4-SO3H + NaOH → R-C6H4-SO3Na + H2O

石鹸

油脂鹸化法
牛脂、ヤシ油、オリーブ油などの天然油脂を水酸化ナトリウムを用いて鹸化する方法。
R-COOCH2CH(OOC-R)CH2OOC-R + 3 NaOH → C3H5(OH)3 + 3 R-COO-Na
以前は炭酸ナトリウムを用いた方法で合成されていた。
2 R-COOCH2CH(OOC-R)CH2OOC-R + 3 Na2CO3 + 6 H2O → 3 H2CO3 + 2 C3H5(OH)3 + 6 R-COO-Na

脂肪酸塩

R-OH + SO3→ R-O-SO3H

R-O-SO3H + NaOH → R-O-SO3Na + H2O

参考文献

  • 「界面と界面活性剤−基礎から応用まで−」(日本油化学会、2004年

陰イオン界面活性剤(アニオン界面活性剤)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/16 03:19 UTC 版)

界面活性剤」の記事における「陰イオン界面活性剤(アニオン界面活性剤)」の解説

水中解離したとき陰イオンとなる。親水基としてカルボン酸スルホン酸、あるいはリン酸構造を持つものが多い。カルボン酸系としては石鹸主成分である脂肪酸塩やコール酸塩が、スルホン酸系としては合成洗剤多く使われる直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動にも利用されるラウリル硫酸ナトリウムなどがある。

※この「陰イオン界面活性剤(アニオン界面活性剤)」の解説は、「界面活性剤」の解説の一部です。
「陰イオン界面活性剤(アニオン界面活性剤)」を含む「界面活性剤」の記事については、「界面活性剤」の概要を参照ください。

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