レゴリス【regolith】
レゴリス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/06 20:14 UTC 版)
レゴリス(日: 表土[1]・英: regolith)は、固体の岩石の表面をおおう軟らかい堆積層の総称。
地球科学一般
地球科学一般の分野では、陸上の土壌、黄土、火山灰や岩屑、風化物などの堆積物を指すと考えられ、また日本の土木施工の現場では土壌を指して言うこともある。 天体の地表面にゆるく積もった岩石由来の粒子やかけら、小天体の衝突によって生成したガラス片、ダスト等の総称である。
惑星科学

いっぽう惑星科学においては、月、惑星・小惑星などの天体の表面に分布する堆積層に対しても用いられ、これは流星物質の衝突破片や、宇宙風化作用によって砕けた岩盤などの細粒物からなる。
月面はほぼ全てが厚さ数センチメートルから数十メートルのレゴリスに覆われていて、クレーターなどの若い地形ほど浅い。「月の石」と呼ばれるもののうち特に細かい砂礫がこれにあたり、月面基地計画における水・酸素の供給源や建築材料としての用途も考えられている。
月面花粉症
月面花粉症 (Lunar hay fever)は、アポロ宇宙船内に持ち込まれたレゴリスによって引き起こされる花粉症のようなくしゃみ・かゆみのことである。アポロ17号の乗組員であるハリソン・シュミットによって説明され、月面に降り立った12人全員が発症した。呼吸器に侵入し、発がんリスクをもたらす可能性が指摘される[2][3]。
脚注
- ^ https://eow.alc.co.jp/search?q=regolith
- ^ “The toxic side of the Moon” (英語). www.esa.int欧州宇宙機関. 2024年1月8日閲覧。
- ^ “月面で宇宙服を洗濯するなら液体窒素が最適? レゴリス除去の有効性が判明”. sorae 宇宙へのポータルサイト (2023年3月12日). 2024年1月8日閲覧。
参考文献
関連項目
- 月、月の土(月のレゴリス)
- 月レゴリスシミュラント - 月のレゴリス模擬土
- 火星の土
- 火星レゴリスシミュラント - 火星のレゴリス模擬土
- 塵肺
- 小惑星の鉱業
- 現地資源利用
- 宇宙法 - Commercial Space Launch Competitiveness Act of 2015(アメリカの宇宙における現地資源利用の法律)、Weltraumressourcengesetz(ルクセンブルクにおける宇宙資源利用の法律)
- 宇宙農業 ‐ アポロ計画で持ち帰った月の土を使った植物栽培には成功している。
外部リンク
レゴリス(月の砂)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/02 02:14 UTC 版)
一般的には表層を覆う柔らかい堆積層を指す言葉。作中では月の砂を指す。隕石などが月に衝突したり、宇宙線や太陽風などによる侵食で形成される。月には風や水の循環がないため、地球の様に風雨にさらされて砂が丸くなっていく事がないために尖っており、人間の肺を傷つけたり、機械の隙間に入り込んで動作異常を起こしたりする。そのため月の地上から月面基地に戻るときは、必ず落とさなければならないこととなっている。作中では太陽から出る放射線を防いだり、部品になったり、水素を発生させるために利用されているほか、結果的にクッションとなり宇宙飛行士を救ったこともあった。
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