フレームバッファ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/16 23:34 UTC 版)
画面の1フレーム分をまるごとバッファリングするもの。 汎用性の求められるコンピュータでは、画面の表示欠けが許されないとされる場合が多かった。これを解決するために、画面1フレームをまるごとバッファリングすることのできるフレームバッファが多くの機種で採用された。描画処理の時間や順序に多少の融通ができるため、レンダリング処理が間に合わない事態を防ぐ効果がある。ただし能力の限界を超えて描画しようとすると、ラインバッファと同様に表示欠けを生じたり、見た目のフレームレートが低下(いわゆる処理落ち)したりする。 初期のパソコンでも中級機以上のものはフレームバッファに似たグラフィックVRAMを保有していた。現代から見れば色数が少なかったもののVRAMの使用量は比較的多く、それらがゲーム機やホビーパソコンなどに比べて非常に高価な理由のひとつとなった。 ゲーム機でも、RAMの容量価格比が増大するとフレームバッファが使われるようになり、本格的な3D描画が可能となった。 高いフレームレートでちらつきのない高度なレンダリングをおこなうため、しばしばダブルバッファという方式が採られる。これはフレームバッファを2フレーム分用意し、片方がレンダリングの結果を出力している間、もう片方にレンダリングを重ねていくものである。原理上表示欠けは発生しないが、レンダリングに時間がかかると処理落ちを生じてしまう。高度なグラフィックスをリアルタイムで動かすゲームのCGにとって重要な技術だが、VRAMを大量に消費するためゲーム機では容量が不足しやすいといったジレンマがある。プレイステーション2ではこの対策として、インターレース画面の1フレームを2フィールドに分け、片方のフィールドを走査する間にもう片方のフィールドにレンダリングするという、簡易的なダブルバッファを用いることが多い。この場合プログレッシブ走査が不可能となり、そのためPS2ではプログレッシブ走査に対応したソフトが少ない。
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