サイレントマジョリティー
「サイレントマジョリティー」とは・「サイレントマジョリティー」の意味
サイレントマジョリティーとは「声なき声」「静かな多数派」という意味があり、1969年にアメリカ大統領であるニクソンが演説で使った言葉としても有名で、日本では物言わぬ大衆である日本人の意見を政治家は聞くべきだという意味合いでも使われる。サイレントマジョリティーは英語の「silent majority」を日本語に直したもので、「silent 」は口数が少ない、無口などの意味合いがある。「majority」は多数派、多数党という意味である。これを合わせることで「声なき声」「静かなる多数派」となるのだ。抗議などをあえてせずに保守的な大衆に対しても使われる言葉でもある。政治的な意味合いはもちろんのこと、マーケティングなど経済の世界でも使われる単語でもある。例えば政治家の政策に疑問は抱くが抗議活動には参加しない、商品やサービスに対する不満はあるがクレームは入れない人を指す。わざわざ自分から動いて何か行動を起こすのは面倒だと考え、積極的に声をあげる必要は無いと判断する人たちだ。
サイレントマジョリティーという言葉が一躍有名になったのは、第37代アメリカ大統領ニクソンの演説がきっかけである。ニクソン大統領が演説中に初めてサイレントマジョリティーという言葉を使い、世界中に広まったのだ。当時のアメリカはベトナム戦争真っ只中。ベトナム戦争が泥沼化する中で大統領に就任したニクソンは就任演説でこれからは「対立の時代から話し合いの時代」だと主張した。ベトナム戦争の解決に向けて米軍の段階的な撤退を掲げ、サイレントマジョリティーという大勢の民衆に訴えかけたのである。ニクソンは声をあげない民衆はベトナム戦争に賛成していると考えるのではなく、反対しているという人も多く居ることを理解していたのだ。あえてサイレントマジョリティーという言葉を使って静かなる多数派に訴えかけたことで、支持を得ることに成功したのだ。
ニクソン大統領の演説から派生して、経済界でもサイレントマジョリティーという言葉が頻繁に登場するようになった。経済界ではサイレントマジョリティーは「積極的に発信はしない大多数の消費者」という意味合いで使われることが多い。特にマーケティングをするときにはサイレントマジョリティーの声を聞き、サービスや商品開発に役立てているのだ。マーケティングの世界では自ら積極的に声をあげ、企業などに自分の不満を伝えるのは顧客の4%程度と言われている。96%の人たちはサービスや商品に不満を感じても、黙ってしまうのだ。企業としては積極的に声をあげる人たちの意見はもちろん大切だが、残りの大多数の声を聞かなければ大きな利益には繋がらない。サイレントマジョリティーを重視してこなかった企業は大多数の支持を得られず、業績が悪化したというケースもあるほどだ。そんな出来事を目の当たりにした企業の多くはサイレントマジョリティーに耳を傾けるようになり、マーケティングの世界でも静かなる多数派の声は積極的に聞くことが重要だと考えられるようになったのである。
「サイレントマジョリティー」の使い方・例文
・政治家はサイレントマジョリティーの声に耳を傾けるべきである。・世間には見えないだけでサイレントマジョリティーが沢山存在する。
・政治を動かすためにはサイレントマジョリティーの支持が必要。
・自分はあえてサイレントマジョリティーになることを選んだ。
・選挙に勝つためにはサイレントマジョリティーの支持が必要不可欠だ。
・SNSを利用してサイレントマジョリティーの意見を調べる。
・サイレントマジョリティーの意見を集めて政策に盛り込む。
・マーケティングで重要なのはサイレントマジョリティーの意見だ。
・サイレントマジョリティーの意見を商品開発に活かす。
・政治家はサイレントマジョリティーの意見に寄り添うべきだ。
サイレント‐マジョリティー【silent majority】
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