エス‐アイ‐アールエヌエー【siRNA】
読み方:えすあいあーるえぬえー
干渉RNA (siRNA)
短い二重鎖RNAであるsiRNAが細胞に導入されると、狙った遺伝子のmRNAを効果的に壊すことができる。これは、特定の遺伝子の機能を調べるときに非常に役に立つだけでなく、この機能を病気の治療に利用できる可能性がある。
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siRNA
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/17 00:20 UTC 版)
siRNA(small interfering RNA)とは21-23塩基対から成る低分子二本鎖RNAである。siRNAはRNA干渉(RNAi)と呼ばれる現象に関与しており、伝令RNA(mRNA)の破壊によって配列特異的に遺伝子の発現を抑制する。この現象はウイルス感染などに対する生体防御機構の一環として進化してきたと考えられている。siRNAは線虫や植物における転写後の遺伝子サイレンシング機構(PTGS)として存在することが報告されていたが[1][2]、その後合成のsiRNAがヒトの細胞においてRNA干渉を引き起こすことが分かり[3]、siRNAを用いたRNA干渉は遺伝子をノックダウンする方法として生物学および医薬分野の基礎研究に応用されていると共に、臨床への応用も期待されている。
- ^ Fire A, Xu S, Montgomery MK, Kostas SA, Driver SE and Mello CC.(1998)"Potent and specific genetic interference by double-stranded RNA in Caenorhabditis elegans."Nature. 391,806-11. PMID 9486653
- ^ Hamilton AJ and Baulcombe DC.(1999)"A species of small antisense RNA in posttranscriptional gene silencing in plants."Science. 286,950-2. PMID 10542148
- ^ Elbashir SM, Harborth J, Lendeckel W, Yalcin A, Weber K and Tuschl T.(2001)"Duplexes of 21-nucleotide RNAs mediate RNA interference in cultured mammalian cells."Nature. 411,494-8. PMID 11373684
- 1 siRNAとは
- 2 siRNAの概要
siRNA
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/18 07:39 UTC 版)
siRNAはmiRNAと同じような方法で、dsRNAがDicerによって長さ21–23ヌクレオチドの小さな断片へと切断されることで形成され、機能する。siRNAはRISCを活性化し、RISCは相補的な標的mRNAを探してRNAを切断する。その結果、RNAiの過程によって特定の遺伝子がサイレンシングされる。siRNAは一般的にmRNA配列特異的であるのに対し、miRNAはmRNAの配列に対して完全に相補的ではないという点で、両者は異なる。miRNAは類似した配列を持つ複数の標的と相互作用し、翻訳を阻害することができる。一般的にRNAiはヒトなどの生体内の正常な過程に必要不可欠なものであり、がんを標的とした診断・治療ツールとしての研究が行われている。
※この「siRNA」の解説は、「Dicer」の解説の一部です。
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