miRNAとsiRNA
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/17 03:12 UTC 版)
「相補性 (分子生物学)」の記事における「miRNAとsiRNA」の解説
miRNAは転写される遺伝子領域に相補的なRNA配列で、調節機能を持つ。現在の研究からは、体内を循環するmiRNAは新たなバイオマーカーとして利用できる可能性が示唆されており、疾患診断での利用の有望性が示されている。miRNAは調節遺伝子に由来するより長いRNA配列から形成され、Dicer(英語版)などによって切断される。こうして形成された短い鎖はRNA誘導サイレンシング複合体(英語版)(RISC)に結合する。そして、転写された遺伝子のmRNAへ相補性を利用して結合し、3つの方法で遺伝子のサイレンサーとして機能する。1つ目は、リボソームの結合を阻害し、翻訳の開始を防ぐことである。2つ目は、結合したmRNAを分解することである。3つ目は、Dicerが作用する2本鎖RNAを形成し、より多くのmiRNAを作り出すことでより多くのコピーを分解することである。siRNAはmiRNAと似た機能を持つ。siRNAは異なるRNAに由来するが、miRNAと同様な目的を果たす。これらの配列の短さを考えると、相補性の規則は選択された標的を非常に特異的に認識できることを意味している。各塩基の位置ごとに4つの選択肢があるとすると、mi/siRNAの20–22塩基で1×1012通り以上の組み合わせを作り出すことが可能である。ヒトゲノムの長さが31億塩基対であるすると、各miRNAがゲノム全体で偶然に一致するのは1ヶ所だけであることを意味している。
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