オキシダント【oxidant】
【酸化剤】(さんかざい)
oxidant.
何らかの化学的な手順によって酸素を取り出して利用する事ができる物質。
工業用途においては、主に燃料と酸素を結合させて燃焼させるために用いられる。
歴史上を通じて、また現代でも最も一般的に用いられる酸化剤は、地球上の大気である。
空気にはものが燃えるのに十分な酸素が含まれており、よほど特殊な状況下でない限り、化学合成された酸化剤は必要とされない。
「特殊な状況」として一般的なのは、真空中と水中である。
真空中で外部から酸素を調達する事は不可能である、という事は論ずるまでもない。
水には酸素が含まれるが、これを取り出すのは空気中の酸素利用と比べて格段に多くの設備投資とエネルギーを必要とする。
従ってこのような場合、燃焼に必要な酸化剤はあらかじめ化学合成して貯蔵しておかなければならない。
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オキシダント
自動車や工場などから排出される窒素酸化物と炭化水素が、日光による光化学反応で生成される酸化性物質の総称。排出された窒素酸化物や炭化水素は、太陽光線に含まれる紫外線により複雑な光化学反応を起こして、オゾン、二酸化窒素などの酸化性物質である光化学オキシダントになる。これらを含む大気のスモッグ状態を光化学スモッグと呼んでいる。大気中の光化学オキシダント濃度は、夏季の日差しが強く風の弱い日中に高くなり、視程を狭めたり、人間の目や気管支などを刺激する健康影響のほか、農作物など、植物にも被害を与える公害となるので、発生が予測されるときは、各自治体からオキシダント濃度が0.12ppm、0.2ppm、0.4ppm以上で、それぞれ光化学スモッグ注意報、警報、重大緊急、報が発令される。
参照 オゾン、光化学スモッグ、スモッグ- oxidantのページへのリンク