有機ジスルフィドの合成と反応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/28 23:46 UTC 版)
「ジスルフィド」の記事における「有機ジスルフィドの合成と反応」の解説
対称な有機ジスルフィドは通常、対応するチオール2分子を酸化的に結合させて得る。酸化剤としては過酸化水素水やヨウ素が利用される。過酸化水素を酸化剤にした場合、ジスルフィドから過剰な酸化が起こりうるので反応条件の設定は重要である。 2 R − SH + oxidant ⟶ R − S − S − R {\displaystyle {\ce {{2R-SH}+\mathrm {oxidant} ->R-S-S-R}}} また二硫化ナトリウムと2当量のアルキル化剤を反応させても、対称ジスルフィドを調製することができる。二硫化物イオンは硫化ナトリウムの水溶液に硫黄を1当量加えて加熱することでも生成できる。 Na 2 S + S ⟶ Na 2 S 2 {\displaystyle {\ce {{Na2S}+ S -> Na2S2}}} 2 R − X + Na 2 S 2 ⟶ R − S − S − R + 2 NaX {\displaystyle {\ce {{2R-X}+ Na2S2 -> {R-S-S-R}+ 2NaX}}} 非対称ジスルフィドは硫黄上に脱離基を持つR-S-Xの化合物とチオールの塩を低温で反応させることによって得られる。XとしてはハロゲンやSO3Na(Bunteの塩)、CNなどが利用される。非対称ジスルフィドは過剰のチオール塩の存在下で不均化しやすいので反応条件は重要である。 R − S − X + R ′ − S − ⟶ R − S − S − R ′ + X − {\displaystyle {\ce {{R-S-X}+ R'-S^- -> {R-S-S-R'}+ X^-}}} ジスルフィドは還元するとチオールに戻る。水素化ホウ素ナトリウムなどが還元剤として使用される。 求核剤の攻撃で S-S 結合が切断される。求核剤としてチオールの塩を使用するとこれはジスルフィド交換反応になる。 R − S − S − R + Nu − ⟶ R − S − + Nu − S − R {\displaystyle {\ce {{R-S-S-R}+Nu^{-}->{R-S^{-}}+Nu-S-R}}}
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