有機ゲルマン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/27 14:42 UTC 版)
「有機ゲルマニウム化合物」の記事における「有機ゲルマン」の解説
一般式 R4Ge (Rはアルキル基などを示す)で表される有機ゲルマン類は、最も安価な前駆体である四塩化ゲルマニウムとアルキル求核剤から得られる。R4Xで表される炭素族(第14族)化合物を比較した場合、Rの求核性は Si<Ge<Sn の順に増加する。これはβ-ケイ素効果としても知られる超共役による影響の順 Si<Ge<<Sn と等しい。Si−C結合は主にイオン的に、Sn−C結合は主にラジカル的に開裂するが、Ge−C結合はそれらの中間的な性質を示す。 ケイ素類縁体と同様、結合が極性を帯びているため(電気陰性度の差は 2.55 − 2.01 = 0.54)、またアリル基とゲルマニウム原子によってα-炭素イオンが安定化されるため、アリルゲルマン類の求核性は高い。細見・櫻井反応のゲルマニウム版が1986年に見出されている。 この反応ではカルボニル基は三フッ化ホウ素によって活性化されている。
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