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六角棒スパナ

(hex key から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/02/14 02:45 UTC 版)

六角棒スパナのセット
ボールポイント六角棒スパナの斜め使用
キャップスクリュー

六角棒スパナ (ろっかくぼうスパナ、: hex key)は、正六角形の穴を持つ六角穴付きボルト(キャップスクリュー)や六角穴付き止めねじを固定、または緩めるための工具

主に自転車家具の金属部分、機械設備などに使用する工具。

六角棒レンチ六角レンチヘキサゴンレンチメカニックの現場ではヘックスとも呼ばれる。

なお、ソケットの先端に六角棒スパナが設けられ、ラチェットハンドルなどと組み合わせて使用するものは六角ビットソケットなどと呼ばれ区別されている。

歴史

キャップスクリューは現在多くの工業製品に使われているが、構成部品の締結に極めて多くの割合で用いられている自転車業界では六角棒スパナをアーレンキーまたはアレンキー (Allen key) 、アレンレンチ (Allen wrench) という名称で呼んでいる。

アメリカ合衆国の工具メーカー Allen Manufacturing Company が1910年にこの工具を発明したことに由来している[1]。 アレンレンチ (Allen wrench) は、1943年にコネチカットのハートフォードにある Allen Manufacturing Company(現在は、アペックスツールグループ英語版〈Apex Tool Group〉のブランド)の商標になっている[2][3]

日本産業規格ではJIS B4648「六角棒スパナ」 Hexagon socket screw keys として規格化されている。

特徴

六角棒スパナは従来主流であった四角ボルトが衣服などに引っかかり作業者を危険にさらすことを改善するために作り出した安全ボルトを回すための専用工具であり、外形が円形のボルトを作れることに特徴がある。その他差し込んだときにレンチとボルトの接触面積が大きいうえ、プラスおよびマイナスドライバーとは異なり、ぴったり対応したサイズしか使用できないため、ボルトが壊れにくい。±ドライバーの場合、ねじ穴を壊さないためにはネジの垂直方向斜めにベクトルの力を加える必要があるが、六角棒スパナの場合は回転方向のみに力を掛けるだけでよい。六角穴の対辺幅でサイズが決められており、ミリサイズインチサイズがある。

材質は主にクロム・バナジウム鋼、クロムモリブデン鋼が全体熱処理され43から53 HRCと高くしてある。これは六角棒の曲り部の強度を得るためである。2010年代には、この曲り部のしなりをなくすために丸棒形状として、先端部を削り出して六角としている製品も現れている[4]、その他に先端がマグネット機能付やカラーメッキを施してサイズを判りやすく色分けするなど、各社工夫を凝らしている。また、表面は黒染めニッケルめっきクロムメッキなどの処理がされている。対策としてマルテンサイト系ステンレス製もある[5]PBスイスツールズの製品は、硬質クロムメッキが施され、防錆だけでなく表面硬度も格段に高くなっている[6]

使用方法

携帯用のコンパクトな製品以外は、たいてい長辺と短辺からなるL字形をしている。ボルトをしっかり固定したり、固く締まったボルトを緩めるときなど、大きな力が必要なときは、短辺をボルトの六角穴の底まで完全に差し込み、長辺を持って回す。深さ途中までの差し込みは、スパナの斜め掛けと同じくレンチが外れたり六角穴の角を潰すことになる。逆に力はそれほど必要なく、早回し作業をしたい場合には、長辺を差し込んでドライバーのようにすばやく回す。レンチの長手寸法はJISで決められている。レンチの角部が摩耗したり潰れてきた時が工具としての寿命である。

製品の一部には、上の写真のように長辺の先端が「ボールポイント」と呼ばれる丸い形状の物がある。これはボルトに対してレンチをまっすぐな角度で差し込むことが出来ない場合に、垂直から30度程度までの範囲で斜めに差し込んだ状態での作業を可能にする工夫である。ただし接触面積が少なくなるため強いトルクをかけると先端が破損する恐れがある。締める、あるいは緩める、どちらの場合であってもトルクをかける場合はボールポイント形状ではない短辺形状の側を使用することになるが、材質の強度や形状を工夫することによってボールポイント部での本締め可能を謳う製品も存在する。一部のメーカーはボルトの脱落防止、保持用途として、ボールポイント部にばね鋼のリテーナーリング[7]を追加したり、ボルトとの接触面の一つにばね付きのボールを埋め込んだ製品[8]を販売している。

ボールポイント六角レンチは1964年にアメリカ合衆国のボンダス (BONDHUS) 社の創業者であるジョン・ボンダスの発明特許が取得され、1967年より販売されている[9]。当初はそれなりの値段で販売されていたが、その後パテント期限が切れ、現在では100円ショップでも組で購入可能である。

主なメーカー(順不同)

国内外問わず、ほとんどの手工具メーカーが六角棒スパナを製品として販売している。製造は自社で行わず他社製品を自社のブランドで販売している場合もある。

脚注

参考文献

  • 技能士の友編集部・編著 編『作業工具のツカイカタ』(13版発行)大河出版〈技能ブックス / 技能士の友編集部編著, 19〉、2002年8月25日。ISBN 4886614191 
  • 松本, 英雄『通のツール箱―"ノーガキ"で極める工具道』二玄社、2005年6月25日。 ISBN 454404345XOCLC 454404345X 
  • Dutton, Thomas (2007) (英語). The Hand Tool Manual. TSTC Publishing. OCLC 717384791 
  • 『工具の本2010』学研パブリッシング、2010年3月5日。 ISBN 9784056058215 
  • 西沢正和・監修 編『はじめてでもうまくいく―DIY道具の便利帳』大泉書店〈012DIYシリーズ〉、2010年9月11日。 ISBN 9784278055009 
  • Who invented the Allen Key?

関連項目


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