YB66
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2011/06/20 13:45 UTC 版)
(a)13個の二十面体からなるユニット(B12)13B12(超二十面体)(b) YB66の構造に含まれるB80 クラスターユニット。過剰の結合線は、全ての位置に原子が占められていると仮定したためである。実際は42カ所にしかホウ素原子は詰まっていない。 左図: YB66のホウ素骨格の概略図である。明るい緑の球はホウ素の超二十面体を表し、矢印は相対的な方向を現す。暗い緑の球はB80クラスターを表す。右図: 桃色の球は、YB66中で対になっているYの場所を示す。明るい緑の球はホウ素超二十面体を表し、暗いほうはB80クラスターを表す。 YB66は1960年に発見され、その構造は1969年に解明された。構造は面心立方構造で、空間群はFm3c (No. 226)、ピアソン記号はcF1936、格子定数はa = 2.3440(6) nmである。ホウ素の位置はB1からB13まで13種類あり、イットリウムの位置は1種類のみある。B1は1つのB12二十面体を作り、B2からB9までは他の二十面体を作る。これらの二十面体は13個の二十面体のユニット(B12)12B12としてまとめられ、これは超二十面体と呼ばれる。B1による二十面体は、超二十面体の中心に位置する。超二十面体はYB66のホウ素骨格の基礎となる要素の1つである。超二十面体は2種類ある。1つは単位格子の面心立方中心にあるもの。もう1つは単位格子の中心と角に位置しているもので、これは90度回転させられている。そうして、単位格子には超二十面体が8つ(1248個のホウ素原子)存在することになる。 他のYB66の構造単位は、B10からB13で作られるB80クラスターである。80個のホウ素原子が存在するわけではなく、原子が入りうる位置が80ヶ所あるという意味で、実際には42個のホウ素原子しか含んでいない。B80クラスターは単位格子のオクタントの体心立方中心に位置している。よって、単位格子中には8つのクラスター(336個のホウ素原子)が存在する。2つの別々の構造解析によっても、単位格子中のホウ素の数は1584個であるという同じ結論に達している。単位格子中には48のイットリウムの場所がある。Yの占有度を0.5とすると、単位格子中に24個のYが存在することになり、組成はYB66になる。0.5の占有度は、対になっているイットリウムの場所のうち、いつも一方のみしか満たされていないことを示す。 YB66の密度は2.52 g・cm-3、熱伝導率は0.02 W・cm-1・K-1と低く、弾性率はc11 = 3.8×109、c44 = 1.6×109 N・m-2であり、デバイ温度は1300 Kである。他のホウ化イットリウムと同じく、YB66は硬い物質で、ヌープ硬度は26 GPaである。数センチメートルサイズの純度の高いYB66結晶は、ゾーンメルト法の繰り返しにより得られ、X線の単色光分光器に使われる。 YB66の格子定数は2.344 nmであり、非常に大きい。この性質と、熱力学的安定性により、YB66は低エネルギー (1-2 keV) X線単色光分光器の回折格子に応用される。
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