ホウ化物とは? わかりやすく解説

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ほうか‐ぶつ〔ハウクワ‐〕【×硼化物】

読み方:ほうかぶつ

ホウ素と他の元素との化合物のうち、ホウ素よりも電気陰性度小さ金属元素との化合物総称金属過剰なホウ化物とホウ素過剰なホウ化物に大別される融点高く硬くてもろい化合物が多い。


ホウ化物

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2009/01/10 02:41 UTC 版)

化学においてホウ化物(ホウかぶつ、Boride)とは、ホウ素とそれより電気陰性度が小さい元素との間の化合物の総称である。ホウ化物は非常に大きな化合物の一群であり、一般に融点が高く天然では非イオン性である。いくつかのホウ化物は非常に役立つ物理的特性を持つ。また、ホウ化物という用語は大まかであり、二十面体ホウ化物であるB12As2のような化合物にも適用される。

目次

化合物の範囲

ホウ化物には、極端な例だとYB66やNd2Fe14Bのようにホウ素が豊富なものから金属が豊富なものまで幅広く分類される。ホウ素原子と金属原子の比率が4:1以上のものはホウ素過剰ホウ化物、4:1未満のものは金属過剰ホウ化物と一般には定義づけられている。

ホウ素過剰ホウ化物

主にランタノイドアクチノイドが多種のホウ素過剰ホウ化物を形成する。このグループの性質は一つの化合物から例えば半導体超伝導体反磁性常磁性強磁性反強磁性の化合物へ変化する[1]。それらは大部分が安定であり難溶性である。いくつかの十二ホウ化金属は二十面体配置のホウ素原子を含み、イッテルビウムジルコニウムウランなど他の元素は立方八面体配置のホウ素原子を持つ[2]。LaB6は不活性および難溶性化合物で、電極の放出のための低い仕事関数のために熱カソードで使われる。YB66の結晶は低エネルギーシンクロトロンX線のための単色光分光器に使われる[3]

金属過剰ホウ化物

遷移金属には金属過剰ホウ化物を形成する傾向がある。このグループは融点が高く不活性であり、タービン翼やロケットノズルなどに使われている。最近の研究では、39 K で超伝導体となるMgB2、超非圧縮性のOsB2とReB2のように興味深い性質が多く見つかっている。

ホウ化物の構造

ホウ素過剰ホウ化物はホウ素多面体を含むことができるホウ素原子による三次元構造を含む。金属過剰ホウ化物は単ホウ素原子、B2ユニット、ホウ素鎖、またはホウ素シート/層を含む。

それぞれの構造をとるホウ化物の例
  • ホウ素多面体 - NaB15
  • 単ホウ素原子 - Mn4B
  • B2ユニット - V3B
  • ホウ素鎖 - FeB
  • ホウ素シート/層 - CrB2

脚注

  1. ^ Lundstrom T Pure & Applied Chem. (1985) 57, 10,1383
  2. ^ Matkovich, V.I., J Economy, R F Giese Jr, R Barrett (1965). “The structure of metallic dodecaborides” (PDF). Acta Cryst. 19: 1056–1058. DOI: 10.1107/S0365110X65004954. 2008年8月28日閲覧。
  3. ^ Wong, Jo, T Tanaka, M Rowen, F Schäfer, B R Müller, Z U Rek (1999). “YB66 – a new soft X-ray monochromator for synchrotron radiation. II. Characterization”. J Synchrotron Rad. 6: 1086–1095. DOI: 10.1107/S0909049599009000.

関連項目


ホウ化物

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 22:44 UTC 版)

サマリウム」の記事における「ホウ化物」の解説

酸化サマリウムおよびホウ素粉末真空下で焼結させることによっていくつかの相のホウサマリウム含んだ粉末得られサマリウムホウ素混合比調整することで任意の組成の物が得られる。この粉末アーク溶融もしくはゾーンメルト法によって特定のホウサマリウム大きな結晶とすることができ、溶融結晶化温度変えることでそれぞれSmB6 (2580 °C)、SmB4(およそ2300 °C)およびSmB66 (2150 °C) が形成される。これらのホウサマリウム全て硬く脆い暗灰色固体であり、含まれるホウ素割合高くなるほど硬さが増す。二ホウサマリウムはこれらの方法製造するには揮発性すぎるため、安定して結晶成長させるためには高圧(およそ65 kbar)かつ低温(1140から1240 °C)な条件が必要となる。これよりも高温になるとSmB6が優先され形成する

※この「ホウ化物」の解説は、「サマリウム」の解説の一部です。
「ホウ化物」を含む「サマリウム」の記事については、「サマリウム」の概要を参照ください。

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