ホンダ・WR-Vとは? わかりやすく解説

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ホンダ・WR-V

(WRV から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/18 06:17 UTC 版)

WR-V(ダブリューアール-ブイ)は、本田技研工業が生産・販売するコンパクトサイズのクロスオーバーSUV

初代 GL2型(2017年 - 2022年)

ホンダ・WR-V(初代)
GL2型
フロント
リア
概要
製造国 ブラジル
インド
販売期間 2017年3月 - 2022年
設計統括 Honda R&D Brazil
ボディ
乗車定員 5名
ボディタイプ 5ドアクロスオーバーSUV
駆動方式 前輪駆動
パワートレイン
エンジン ブラジル仕様
L15A型 1,5L 直4 SOHC i-VTEC(ガソリン・エタノール)
インド仕様
L12B型 1,2L 直4 SOHC i-VTEC(ガソリン)
N15A型 1,5L 直4 SOHC i-DTEC(ディーゼル)
最高出力 ブラジル仕様
ガソリン-115PS/6,000rpm
エタノール-116PS/6,000rpm
インド仕様
ガソリン-90PS/6,000rpm
ディーゼル-100PS/3,600rpm
最大トルク ブラジル仕様
ガソリン - 15.2kgf.m/4,800rpm
エタノール - 15.3kgf.m/4,800rpm
インド仕様
ガソリン-110Nm/4,800rpm
ディーゼル-200Nm/1,750rpm
変速機 インド仕様
5速MT・6速MT
ブラジル仕様
CVT
サスペンション
マクファーソン式
車軸式
車両寸法
ホイールベース 2,555mm
全長 4,000mm
全幅 1,734mm
全高 1,599mm
車両重量 1,590kg
最大積載量 363L
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2016年11月9日、サンパウロ国際モーターショーにてWR-V市販予定車が公開された。地域のニーズに合わせた開発をするために、販売地域であるブラジルインドそれぞれのHonda R&D[注釈 1]が別々に開発したもので、この2拠点のHonda R&Dが初めて開発した車両でもある。それによりグレード体系やボディカラー[注釈 2]、使用燃料、搭載するエンジン、トランスミッションなどが異なる。

生産拠点も販売地域で分かれており、Honda Automoveis Do Brasil Ltda.の第一工場(ブラジル・サンパウロ州スマレ)とHonda Cars India Ltd.の第二工場(インド・ラジャスタン州 タプカラ)の2か所があり、現地生産のかたちをとる[1]

外観上の特徴はフィットをベースに樹脂製フェンダーやシルバーのスキッドプレート、ルーフレールなどの加飾が施されている点で、SUVの雰囲気をまとっている。また、フィットがベースであるため、2列目シートのチップアップが可能である。ホンダはこれを「マジックシート」と呼称しているが、この名称は日本ではステップワゴンの3列目シート格納機構に対し用いられている。

南米仕様

南米ではSUV市場が拡大しており、ホンダはCR-VHR-Vに続く新たなコンパクトSUVを投入することによってSUVのラインアップ拡充を図った[2]。南米仕様車の大きな特徴はフレックス燃料車であることで、ガソリンエタノールの2種類の燃料を使用できる。トランスミッションはCVTのみ、グレードは「EX」と「EXL」の2種類。上級グレードのEXLには、電動格納ミラーやカーテンエアバッグ、タッチスクリーンのインパネ、GPSナビ、レザーシートなどが装備される[3]

2017年3月25日にブラジルにて販売を開始した他、順次販売地域が拡大される計画である[4]

インド仕様

南米仕様と異なり、1.2Lガソリンと1.5Lディーゼルの2種類のエンジンがラインナップされる。トランスミッションは5MT(ガソリン車)と6MT(ディーゼル車)の2種類。グレードは「 S」、「V」、「VX」の3種類で、Vはディーゼルエンジンのみ、S・VXにはガソリン・ディーゼル両方のエンジンがラインナップされる。Sは他と比べて主に室内装備が省かれる廉価版。VとVXの差異は小さく、レザーステアリングが装着・非装着かの差である[5]

2代目 DG4型(2022年 - )

ホンダ・WR-V(2代目)
DG4型
E(マレーシア仕様)
RS(マレーシア仕様)
概要
製造国 インド
販売期間 2022年11月 -
ボディ
乗車定員 5名
ボディタイプ 5ドアクロスオーバーSUV
駆動方式 前輪駆動
パワートレイン
エンジン L15ZF型 1,5L 直4 DOHC i-VTEC
最高出力 89 kW (119 hp; 121 PS) / 6,600 rpm
最大トルク 145 N⋅m (107 lb⋅ft; 15 kgf⋅m) / 4,300 rpm
車両寸法
全長 4,060mm
全幅 1,780mm
全高 1,608mm
テンプレートを表示

2021年11月、「SUV RSコンセプト」が発表。これの市販版となる[6][7]

2022年11月2日、インドネシアで世界初公開された[6][7]。グレードはE、RS、RSホンダセンシングとなる。搭載されるエンジンはL15ZF型のみとなる。安全装備は、最上位グレードにHonda SENSINGが搭載される。12月1日にインドネシア西ジャワ州カラワン県にある工場で生産が開始された[8]

第44回バンコク国際モーターショー(2023年3月10日)にて、タイでの発売が告知された[9]

2023年6月12日、ホンダのマレーシア法人が予約受付を開始[10]

2代目日本仕様 DG5型(2024年 - )

ホンダ・WR-V(2代目日本仕様)
DG5型
Z+
リア
インテリア
概要
別名 ホンダ・エレベイト
製造国 インド
販売期間 2024年3月 -
ボディ
乗車定員 5名
ボディタイプ 5ドアクロスオーバーSUV
駆動方式 前輪駆動
パワートレイン
エンジン L15D型 直4 DOHC i-VTEC
最高出力 87kW(118PS)/6,600rpm
最大トルク 142N・m(14.5kgf・m)
/4,300rpm
変速機 CVT(パドルシフト付)
サスペンション
マクファーソン式
車軸式
車両寸法
ホイールベース 2,650 mm
全長 4,325 mm
全幅 1,790 mm
全高 1,650 mm
車両重量 1,210 - 1,230 kg
その他
製造事業者 Honda Cars India
系譜
先代 ホンダ・クロスロード
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日本市場向けのWR-Vは、同年6月にインドで発表されたエレベイトの日本仕様車となり、全数がインドから輸入される[11]

2023年11月16日、日本で新型SUV「WR-V」の発表・発売に先駆けて特設サイトを公開した[12]。同年12月21日、日本で正式発表された[13]。2024年3月22日発売。キャッチフレーズは「みんなそろって、最高かよ。」で、CMソングはSUSHIBOYS『Ride』。

タイプ体系は「X」・「Z」・「Z+」の3種類が設定され、1.5LのL15D型を搭載するガソリン・FF仕様のみの設定となる。Honda SENSINGは全車標準装備となっており、フロントワイドビューカメラや前後8つのソナーセンサーを用いたシステムが採用され、急アクセル抑制機能を含む13の機能を備えている。ボディカラーは日本初採用となるイルミナスレッド・メタリックをはじめ、プラチナホワイト・パール、クリスタルブラック・パール、ゴールドブラウン・メタリック、メテオロイドグレー・メタリックの全5色が設定され、クリスタルブラック・パール以外は有料色となる。

2025年3月6日、一部改良並びに特別仕様車「BLACK STYLE」が発表された(3月7日発売、「X」と「Z+」は同年夏ごろの発売予定)[14]。「Z」・「Z+」のインパネ下部にソフトパッドが追加され、「Z+」は内装にブラウンのフルプライムスムースシートを採用。ボディカラーには「Z」・「Z+」専用色のオブシダン・ブルーパールが追加設定された。「BLACK STYLE」は「Z」・「Z+」をベースに外内装のパーツの一部がブラック基調で統一され、「Z+ BLACK STYLE」は「Z」と同じブラックのコンビシートへ変更される。

車名の由来

Winsome Runabout Vehicle(ウィンサム ランナバウト ビークル)の頭文字をとった略。

脚注

注釈

  1. ^ モビリティのデザインに関わる量産開発や先行開発を中心に行う、ホンダのデザインスタジオ。
  2. ^ 両車とも全6色だが、バリエーションが異なる。

参考文献

  1. ^ 生産拠点”. 本田技研工業. 2020年4月16日閲覧。
  2. ^ 2016年サンパウロ国際モーターショーで新型コンパクトSUV「WR-V」市販予定車を世界初公開”. 本田技研工業 (2016年10月18日). 2020年4月15日閲覧。
  3. ^ 公式サイト「WR-V」主要諸元”. ホンダ(ブラジル). 2020年4月17日閲覧。
  4. ^ “A vida por outro ângulo” – Campanha publicitária marca o início das vendas e test-drive do novo Honda WR-V”. ホンダ(ブラジル) (2017年3月24日). 2020年4月16日閲覧。
  5. ^ 公式サイト「WR-V」”. ホンダ(インド). 20220-04-17閲覧。 エラー: 閲覧日が正しく記入されていません。 エラー: 閲覧日がウィキペディアの設立以前の日付です。
  6. ^ a b 森脇稔「ホンダの新型コンパクトSUV『WR-V』、インドネシアで発表」『レスポンス』イード、2022年11月3日。2023年4月24日閲覧
  7. ^ a b "Pertama Kali di Dunia, Honda Luncurkan Honda WR-V Sebagai Small SUV Pertamanya di Indonesia" (Press release) (インドネシア語). P.T. Honda Prospect Motor. 2 November 2022. 2023年4月24日閲覧
  8. ^ "PT Honda Prospect Motor Memulai Produksi Massal Honda WR-V di Indonesia" (Press release) (インドネシア語). 2 December 2022. 2023年4月24日閲覧
  9. ^ "ฮอนด้า เปิดตัว "ฮอนด้า ดับเบิลยูอาร์-วี ใหม่" ยนตรกรรมอเนกประสงค์ 5 ที่นั่ง ตอบรับวิถีชีวิตยุคใหม่ เติมเต็มไลน์อัปเอสยูวีของฮอนด้าให้ครอบคลุมทุกความต้องการของลูกค้า" (Press release) (タイ語). Honda Automobile (Thailand) Co.,Ltd. 10 March 2023. 2023年4月19日閲覧
  10. ^ "Activate Your Life With The Fun-To-Drive All-New Winsome Runabout Vehicle (WR-V)" (Press release) (英語). Honda Malaysia. 12 June 2023. 2023年12月25日閲覧
  11. ^ 小松哲也「ホンダが新型SUV『WR-V』を先行公開…全量インドから供給、2024年春発売」『レスポンス』イード、2023年11月16日。2023年12月25日閲覧
  12. ^ 新型SUV「WR-V」をホームページで先行公開』(プレスリリース)本田技研工業、2023年11月16日https://global.honda/jp/news/2023/4231116.html2023年11月16日閲覧 
  13. ^ 新型SUV「WR-V」を発売』(プレスリリース)本田技研工業、2023年12月21日https://global.honda/jp/news/2023/4231221-wr-v.html2023年12月25日閲覧 
  14. ^ ホンダ、コンパクトSUV「WR-V」一部改良 黒を基調とした特別仕様車「BLACK STYLE」やブラウン内装を新設定」『Car Watch』インプレス、2025年3月6日。2025年3月6日閲覧

関連項目

外部リンク




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