UHF帯での実験開始と小電力サテライトUHF局
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「NHK UHFテレビ実験局」の記事における「UHF帯での実験開始と小電力サテライトUHF局」の解説
UHF帯を使用したテレビ実験局の嚆矢は、NHK放送技術研究所に開設された実験局である。これは、NTSC方式によるカラーテレビジョンを1960年に本放送開始するためのものであった。 物理ch放送局名呼出符号空中線電力ERP送信地点実験地域実験期間46(669.25MHz)NHKカラーテレビ実験局 JO2O 映像1kW、音声0.5kW 不明 東京都世田谷区砧1丁目10-11 NHK放送技術研究所 東京都世田谷区 1956年12月20日〜1970年12月17日 当時テレビジョン放送は超短波(VHF帯)で放送され、1chから12chまで、最大7局までしか割り当てることができず、兵庫県姫路市周辺や有明海沿岸のようにチャンネルが短期間で逼迫して地元の新局や県域放送局の中継局設置の要望に応えることが困難な地域が生じたり、親局送信所から遠い地域で中継局を設置して難視聴を解消させることがままならない状態だった。そこで1961年3月27日に当時の郵政省(現・総務省)が「テレビ放送用周波数の割当計画基本方針」(以下、「基本方針」と略記)を修正し、UHF帯をテレビ放送に割り当てる方針を定めた。これを受け、NHKは放送法に基づき国から受託する形で(以後もほぼ同じ)まず以下の3局が小出力のサテライト局(中継局)としてUHF帯を使うための本格的な実験を始めた。このうち後に県域親局となった大津局に関しては、1960年にVHFの実験局として開局したのを転換したものであった。 物理ch放送局名呼出符号空中線電力ERP送信地点実験地域実験開始日52NHK日立UHF実験局 ‐ 映像60W 不明 風神山 茨城県日立市ほか 1961年12月1日 52NHK大津UHF実験局 ‐ 映像18W 不明 ‐ 滋賀県大津市ほか 1962年2月21日 51NHK高萩UHF実験局 ‐ 映像100W 不明 ‐ 茨城県高萩市ほか 1962年12月28日 実験の結果を受け、郵政省は1963年5月7日、「テレビ放送用周波数の第2次割当計画表」(以下、「第2次プラン」と略記)を修正し、中継局用としてUHF帯のチャンネルを全国96地区に割り当てた。日立局と高萩局は同年6月15日に日本初のUHFテレビ本放送に移行したが、高萩局は後にKDD茨城衛星通信所の本格運用に伴い移設され、「十王中継局」となった。大津局は1966年に中継局へ移行後、1971年になって、県域化を睨んだ総合テレビジョンの親局に移行した。 なお当時、UHFコンバータ(UHF電波をVHF電波に変換する装置)を付けないとUHF放送を視聴できなかった。
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