Toccata d-Moll BWV 913とは? わかりやすく解説

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バッハ:トッカータ ニ短調

英語表記/番号出版情報
バッハトッカータ ニ短調Toccata d-Moll BWV 913作曲年: 1707-13年  出版年1801年  初版出版地/出版社Hoffmeister & Kühnel 

作品解説

2007年7月 執筆者: 朝山 奈津子

 この曲が「トッカータ第1番」と呼ばれるのは、そのように書き込まれ手稿資料複数存在するためであり、また7曲のうちではもっとも早く1801年出版されいるからかも知れない
 導入トッカータ部分Thema資料によってはPresto)と題されるフーガ部分、短い動機連ねた緩やかな推移部、再びフーガ部が始まりトッカータ風のコーダ終結する複縦線に従うなら4部構成だが、最後コーダによって、伝統的な T-F-T-F-T に近い形になっている
 もっとも、最初のトッカータ・セクションでは、第15小節休符を境にテクスチュアががらりと変化する。さらに言うならばその前の導入部分も、ペダル・バス風に始まり音階一気駆け下り溜息動機でしばらく進んだのち、ふたたび音階の走句が散りばめられるといった具合で、多様なものが並置されている。
 フーガ主題はすでに、トッカータ・セクション後半準備されている。ただし、Thema とされる最初のフーガ・セクション冒頭は、一般的な主題提示5度関係での応答ではなく8度上でなし崩しに模倣されるに留まっており、全体フーガとしては自由な書法になっている。この印象的な主題は、リズム形を組み替えたり反行や逆行じみた変奏加えられたりして、いたるところ顔を出したのち、推移部分にも素材提供する
 2回目フーガ8度模倣で始まるが、明確な主題をもっている。フーガの展開は、最初Thema比べれば、より緻密な構成なされている。
 主題最後分散和音によるコーダ入っても完全に失われることはない。歯切れ良いリズムがここでは進行流れ中に溶かされて、やがて断片的に浮かび上がり主題回帰への期待感高める。そして最後の3小節でいよいよ主題が再提示され終結する
 この作品には当時オルガン音楽常套句(ペダル・バス、鍵盤の幅をいっぱいに使う音階の走句、分散和音による進行等)があふれかえっており、それらの繋ぎ目にややぎこちなさ感じるところもある。しかしこれを統一するのが、Themaにはっきり提示されるリズム形である。動機による統一見られるのは、7曲中この作品のみである。




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