SEM観測
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/14 16:34 UTC 版)
SEM(Space Environment Monitoring / Monitor)は、GOESの初号機から運用されている。プロトン、荷電粒子、X線線量、磁力などの観測を行う。これらの情報は、電波擾乱、衛星の運用などに利用されている。 GOES-12までは2個のアースセンサーで地球を捉え、姿勢制御を行っている(日本のMTSAT-1RとMTSAT-2もこの方式)。しかしながら、太陽光を浴びた場合に姿勢制御が甘くなる欠点があるためGOES-Nシリーズから、より姿勢制御の精度を上げるために極軌道衛星などで搭載されている「スター・トラッカー」を使用した、三軸姿勢制御方式が採用された。 イメージャーおよびサウンダーの性能は、既に運用を終了しているGOES 9-12までと同じ性能(GOESシリーズでも波長帯に違いが見られる)である。分解能はGOES-O/Pでは長波側の赤外画像で分解能が向上する。 GOES-12から搭載されたSXIイメージャーはマイナーチェンジが施された。画像の分解能はGOES-12と比べ格段に向上。画像も3種類(AR = Active Region, FL = Flear, CS(Corona Structure)。少なくとも太陽表面のコロナホールやフレアーの状態は、ほぼ常時に近い観測が出来るようになる。分解能はGOES-12と比べて精細度が非常に高く、イメージ的にはSOHOに近いディテールのような画像が得られる。2006年12月5日にあった太陽面爆発でGOES=13のCCDに障害が発生、撮影された画像の下側に横筋が残る。2009年2月に実施された性能確認観測でも、横筋が残っている。現在はLevel-1画像で画像処理が施され、Level-0の画像に観られる横筋は完全に除去できていないものの、実用上の支障が出ないような処理が行われている。 GOES-15では経年変化による画像上に現れる横筋画像化している。
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