ROSとは
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/10 22:02 UTC 版)
「Robot Operating System」の記事における「ROSとは」の解説
ROSの目標は、ロボットソフトウェア開発におけるコラボレーションを全世界的に推進することである。特に、ロボットの研究・開発で用いられるソースコードの再利用性を最大化することを目指して開発された。 ROSはハードウェアの抽象化、低レベルのデバイス制御、汎用的な機能の実装、プロセス間のメッセージ通信、パッケージ管理などを行うほか、複数のコンピュータに渡ってプログラムの取得・開発・実行など行うためののツールやライブラリを提供する。 ROSはRobot Operating Systemの略だが、この言葉からはROSの実態を正確に把握しにくいとの指摘もある。ROSの情報発信における中心的サイトである「ROS Wiki」では、ROSを「メタオペレーティングシステム」 (meta-operating system) と呼んでいる。ROSプロジェクトの中心人物であるブライアン・ガ―キー (Brian Gerkey) は、ROSとは何かという質問に対し「ROS = plumbing(通信)+ tools(ツール群)+ capabilities(機能群)+ ecosystem(エコシステム)」と答え、次のように解説している。 plumbing(通信) ROSは、迅速で容易に分散コンピューティングシステムを構築できるよう設計された、配信-購読型のメッセージ通信基盤を提供する。 tools(ツール群) ROSは、分散コンピューティングシステムの設定・起動・監視・デバッグ・可視化・ログ取得・テスト・停止を行う広範囲にわたるツールを提供する。 capabilities(機能群) ROSは、移動・マニピュレーション・知覚といった機能をロボットに実装する多様なライブラリ群を提供する。 ecosystem(エコシステム) ROSは、統合とドキュメンテーションに重点をおき、大規模なコミュニティにより支えられ進歩している。ROSのコミュニティサイトであるros.orgは、世界中の開発者から提供された大量のROSパッケージ(#ROSパッケージ参照)を取得し学習できるワンストップサービスである。 plumbingとは、いわゆるミドルウェアの通信ライブラリ機能に相当し、capabilitiesとは知能ロボットのライブラリモジュールに相当する。
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