Praeludium a-Moll BWV 922とは? わかりやすく解説

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バッハ:前奏曲(幻想曲) イ短調

英語表記/番号出版情報
バッハ前奏曲幻想曲イ短調Praeludium (Fantasie) a-Moll BWV 922作曲年: 1710-14年  出版年: 1866-67年  初版出版地/出版社Peters 

作品解説

2007年9月 執筆者: 朝山 奈津子

 成立時期契機不明2つ筆写譜で伝えられている。そのうち片方作成した弟子のJ.T. クレープスは、この曲に「幻想曲Fantasie」と名づけ、さらに続いて半音階的幻想曲とフーガ》(BWV903)を書き付けている。両者形式の上ではまるで異なっているが、両手時に交差しつつ織り成す分散和音のフィギュレーション、半音階多用した装飾的な旋律によって、冒頭部分似た雰囲気生まれている。
 全体3つの部分から成り、すなわち分散和音の走句による冒頭部クレープスが「フーガと書き込んだ34小節からの中間部、おそらくバッハ自身が「プレスト」とした第92小節後半以降終結部である。このうち冒頭部つむじ風のように鍵盤端から端まで駆け抜けるアルペジオと、三和音オクターヴが続く音型の2セクション分かれる中間部は短い音型が雨だれのように両の手繰り返し現れるだけで、「フーガ」と呼ぶにはあまりに頼りない。しかし、こうした同じ音型の反復冗長に終わらせないのは、転調冒険音楽豊かにしているからだろう。冒頭部終わりあたりには既に変ロ音が現れ色彩感あるナポリ六度形成する中間部では嬰ト短調嬰ハ短調通り後半に再び変ロ音が現れ今度フラット系の調すなわちニ短調ト短調へと転じる。音型の反復は、和声変化聞かせるにはむしろ効果的な手法である。
 この作品がかつて疑作とされたのは、あまりに即興的動機労作乏しい点、トッカータとしても形式整わない、あるいはきわめて古風な構成であることによるかも知れない。しかしそれだけに、後年円熟したバッハ作品にない勢い爽快感溢れているともいえよう




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