NOLR-5
NOLR-5
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/07 14:41 UTC 版)
海上自衛隊は、第1次防衛力整備計画の2年目にあたる昭和34年度でアメリカ海軍からAN/BLR-1電波探知装置を入手したのち、これに相当する国産機としてNOLR-1を開発、いすず型(34DE)より装備化したものの、オペレータサイドからはAN/BLR-1のほうが好評だった。また昭和39年度からは改良型のNOLR-1Bが装備化されたが、同機では電子管や主要回路なども安定し、部隊使用に耐える信頼性を実現して、第3次防衛力整備計画末にあたる昭和45年度計画艦まで搭載された。 その後、1968年頃より、ちくご型(42DE)に搭載する電波探知装置の機種選定作業が提起された。NOLR-1Bでは、同調方式としてはAN/BLR-1と同様に機械式の共振空洞(Tuned Cavity)方式を用いていたが、これは重厚長大かつ精密な機械装置を要することから、既に陳腐化していた。しかしその代わりとなる方式の検討が難航したことから、しばらくは在庫充当でAN/BLR-1が搭載されていた。 この検討を経て開発されたのがNOLR-5であった。当時は半導体素子化の過渡期であったことから、YIGフィルタ同調素子を採用して、増幅器などは極力固体化されたが、高周波帯には進行波管を使用せざるを得なかった。ただしこのように固体化を図ったことや、信号処理・表示などに積極的にデジタル技術を適用して、発光ダイオードなどで操作を分かりやすくしたことから、オペレーターには好評であった。同機は昭和45年度計画で建造された「いわせ」「ちとせ」に初装備された。またちくご型では、後に第2マスト頂部に方向探知アンテナ・ドーム1基を増設して、機能強化を図った。
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