KVM over IP
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/13 02:34 UTC 版)
「KVMスイッチ」の記事における「KVM over IP」の解説
KVM over IP デバイスは、専用のマイクロコントローラと特殊なビデオキャプチャハードウェアを使い、ビデオ信号、キーボード信号、マウス信号を捉え、圧縮してパケットに格納し、イーサネット上で送信し、受信側で展開してもとの信号に戻す。WAN、LAN、公衆交換電話網などの上でTCP/IPプロトコルを使って、遠隔から複数のコンピュータを操作できる。通常のネットワークを使うため、レイテンシが存在し、ユーザーには若干のタイムラグが感じられる。接続可能コンピュータ台数やユーザーアクセス数は上述の近距離リモートKVM(アナログKVM)よりも一般に少ない。 多くの場合、ウェブブラウザを使ってアクセスするが、専用のビューアソフトウェアを使った方が性能がよい。ただし、セキュリティには注意が必要である。多くの独自ビューアソフトが ActiveX や Java に依存していることも注意しなければならない。また、主要ベンダーは様々なライセンス条件で販売しており、ターゲットデバイス数で料金を設定しているベンダーやユーザー数で料金を設定しているベンダー、セッション数で料金を設定しているベンダーなどがある。 従来のリモート管理手法(例えば、VNCやターミナル サービス)に比較すると、リモートコンピュータ側に何らソフトウェアをインストールする必要がないという利点がある。したがって、BIOS設定やブートの監視などにも使える。KVM over IP アプライアンスは一般に128ビットのデータ暗号化を施している(TLSを利用)。 KVM over IP デバイスの実装は様々である。ディスプレイの表示をキャプチャするという面では、PCI用 KVM over IP カードをターゲットコンピュータに装着し、スクリーンスクレイピングのような技術を用いてバスマスタリングPCIカードがグラフィックスメモリバッファから直接画像データを引き出す。この場合、PCIカードが対象のグラフィックスチップが何なのかを知る必要があり、そのチップがどういうモードで動作しているか知っておく必要がある。そうすることでバッファの中身を正しく解釈し、画面を再構成できる。OPMA管理サブシステムカードなどで使われている新たな技術として、業界標準のDVIバスを使ってグラフィックスチップから直接ビデオデータを取り出す技法がある。キーボードやマウスのエミュレートにも様々な技法があるが、最近ではUSB接続のキーボードやマウスをエミュレートする実装が多い。
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