IPv6 のアドレス表記
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/02 14:26 UTC 版)
「IPv6」の記事における「IPv6 のアドレス表記」の解説
従来のIPv4では、アドレスの値を8ビット単位でドット(.)で区切り、十進法で表記する。 [例] 192.0.2.1 IPv6では、128ビットを表記する際、IPv4と同様の表記では冗長になりすぎるため、アドレスの値を16ビット単位でコロン(:)で区切り、十六進法で表記する。 [例] 2001:0db8:bd05:01d2:288a:1fc0:0001:10ee この方法でも、まだ冗長であるため、以下のルールが適用される場合がある。 あるセクションが "0" で始まる場合、当該先行する "0" を省略することができる。 [例] 2001:0db8:0020:0003:1000:0100:0020:0003 = 2001:db8:20:3:1000:100:20:3 16ビット単位の記述で "0" が連続するところは "::" で省略することができる。ただし、"::" は可変長なので、1箇所だけ使用できる。 [例1] 2001:0db8:0000:0000:1234:0000:0000:9abc = 2001:db8::1234:0:0:9abc[例2] 2001:0db8:0000:0000:0000:0000:0000:9abc = 2001:db8::9abc 上記のルール (RFC 4291) では同じIPv6アドレスに複数の表記が許容されることになる。 アドレスの表記を唯一に統一し単純化するためのルール (RFC 5952) も存在し、同RFCのセクション4に従うと、以下のようになる。 あるセクションが "0" で始まる場合、当該先行する "0" は必ず省略する。 16ビット単位の記述で "0" が2回以上連続するところは、連続する "0" がいちばん長いフィールドを必ず "::" で省略する。連続する "0" の長さが同じ箇所が複数個ある場合は、最初(上位側)を省略する。 連続しない1回だけの "0" は省略してはならない(RFC 3041 では許容されていなかったため)。 英字部分は必ず小文字を使用する。 その他、アドレスの種類によっては、以下のような特殊な表記が用いられることがある。 IPv4互換アドレスやIPv4射影アドレスでは、下位32ビットにIPv4アドレスが埋め込まれる。そのため、その部分だけIPv4の表記にすることが多い。 [例] ::ffff:192.0.2.1 リンクローカルアドレスは一つのリンク(サブネット)内でしか一意でない。そのため、ホストから見た場合、何らかの方法でネットワークインターフェースを指定してリンクを特定しなければならない。アドレス末尾に % 記号を介してインターフェースの番号や名称を付加するのが一般的である。 [例1] fe80::0123:4567:89ab:cdef%4[例2] fe80::0123:4567:89ab:cdef%fxp0 また、サブネットマスクは2001:0db8:9abc::/48のように表記される。この場合、先頭から48ビット (2001:0db8:9abc) がネットワークアドレス部である。ただし、IPv4と異なり、グローバルアドレスのエンドユーザーへの割り当て単位が通常は /48 か /64 であることから、通常目にするサブネットマスクは /48 か /64 であり、あまり意識することはない。これより大きい単位(/32 や /16 など)のサブネットマスクは、IPv6のアドレス体系、ルーティングおよびISPに対する割り振りなどの議論の際に登場する。 Webブラウザのアドレスバーへの入力など、URLのホストパートをIPv6アドレスで指定するときは、例えば::1ならば[::1]のように半角の角括弧でくくる。 (RFC 3986)
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