IPv6-IPv4フォールバック問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 04:03 UTC 版)
「フレッツ網におけるIPv6」の記事における「IPv6-IPv4フォールバック問題」の解説
NTTのフレッツ網においてフレッツ網内IPv6アドレスが端末に割り振られている状況下で、DNSによる名前解決でAAAAレコードによるIPv6アドレスの返答を端末が受け取った場合、IPv4によるアクセスが遅延する問題。フレッツ網内IPv6アドレスは、グローバルユニキャストアドレスであるが、IPv6インターネットとの間で直接の経路は広告されておらず、疎通できない、孤立したアドレスである。 DNSクエリによりFQDNからAAAAレコードにより宛先のIPv6アドレス、Aレコードにより宛先のIPv4アドレス(いずれもインターネット上のアドレス)を受け取った場合、まずIPv6でアクセスを試みるが、端末にフレッツ網内アドレスが割当たっており、宛先のIPv6には不到達となる。端末(ブラウザー)が不到達と決定するまでにタイムアウト時間(#フォールバックのタイムアウト時間とフレッツ網側対策)を消費し、タイムアウト後にIPv4でのアクセスを試みるという動作になる。この再試行により、アクセス待ち時間が増大することが問題となる。DNSから複数のAAAAレコードが返って来た場合は、各AAAAレコードに対してIPv6アクセスを試みるため、タイムアウト時間が逓倍で増加する。 なお、フレッツ網以外の一般のIPv6のネットワークにおいても、ファイアーウォールでICMPv6の宛先不達 (Destination Unreachable) をフィルタしていたり、インターネットに接続されていないIPネットワークであったりした場合には同様の問題が生じる。 アプリケーションによる RFC 6555 - Happy Eyeballs: Success with Dual-Stack Hosts の実装により、IPv6でのアクセスとIPv4でのアクセスとを同時に試みることで緩和される場合があるが、根本的解決には、IPv6インターネットへの接続サービスの利用が必要である。 また、Windows 8では、RFC 6724(旧版 RFC 3484)の実装を変更することで、IPv6-IPv4フォールバック問題に対応している。具体的には、30日おきにMicrosoft によりホストされた IPv6 のみのサーバーに対する簡単な HTTP GETによるネットワーク接続テストを実行し、IPv6で到達できるときにはIPv6を優先的に使用する。逆にIPv6で不到達の場合には、IPv4を優先する。MSはこのアプローチによりWebブラウザーだけでなく、標準Windows APIを使用してデュアル スタックの接続先に接続するアプリケーションについても改善されるとしている。
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