GTP の利用形態
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/22 10:10 UTC 版)
「グアノシン三リン酸」の記事における「GTP の利用形態」の解説
生合成反応では RNA 合成やその他ヌクレオチドの合成に用いられる。そのほかに多糖の生合成では中間産物である「GDP糖」(GDP-グルコース、GDP-マンノースなど)の合成に用いられる。また動物のクエン酸回路ではスクシニル CoA 合成のエネルギー源、オキサロ酢酸からホスホエノールピルビン酸の合成でのリン酸供与体として機能する。 GTP 結合タンパク質としては次のようなものが知られる。これらは各機能の1サイクルごとに GTP 1分子と結合し、GDP に加水分解したのち解離する。 タンパク質翻訳で働くいくつかの因子: 翻訳開始因子、翻訳伸長因子(アミノアシル tRNA のリボソームへの結合、ペプチジル tRNA の転座)、翻訳終結因子(真核生物)。 チューブリン: GTP 結合型が重合して微小管を形成する。GDP に加水分解すると脱重合する。 7TM受容体からのシグナル伝達に関わるGタンパク質: GTP を結合した状態が活性型で下流にシグナルを伝達する。 低分子 GTP 結合タンパク質: Rasタンパク質など、シグナル伝達や細胞機能の調節に働く。Gタンパク質と同様に GTP を結合した状態が活性型として働く。 グアニル酸シクラーゼ: これもシグナル伝達に関与するタンパク質である。GTP からサイクリックGMP (cGMP) を合成し、cGMP はセカンドメッセンジャーの一種として機能する。グアニル酸シクラーゼには心房性ナトリウム利尿ペプチド受容体(膜結合型)や、一酸化窒素によって活性化されるもの(可溶型)が知られている。シルデナフィル(商品名バイアグラ)や発毛剤ミノキシジル(商品名リアップ)は cGMP の分解を抑制する作用がある。
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