GTPアーゼの活性化/不活性化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/30 10:21 UTC 版)
「病原性因子」の記事における「GTPアーゼの活性化/不活性化」の解説
病原性因子の主要なグループにはGTPアーゼの活性化レベルを制御するタンパク質がある。制御機構は二つある。一つは、GEFやGAPのように振舞い、通常の真核生物タンパク質であるかのように宿主に錯覚させる。この方法は可逆的であり、タンパク質がGTPアーゼから離れればGTPアーゼは元の正常な状態に戻る。また、サルモネラといった多くの細菌は、GTPアーゼを活性化させるものと不活性化させるものの2種類のタンパク質を有する。もう一つは、GTPアーゼに共有結合することで、GTPアーゼを不可逆的に改変する。この方法ではGTPアーゼは機能停止となるか、遺伝子発現を過剰にさせるかのどちらかとなる。 真核生物タンパク質の振りをする病原性因子にはサルモネラ菌のSopEがある。SopEはGEFのように振舞い、GTPアーゼのGTP生産を促進させる。これにより、宿主細胞内への細菌の定着は容易になる。 エルシニア属細菌が産生するYopT(Yersinia outer protein T)は宿主GTPアーゼを改変する。GTP結合タンパク質RhoAのC末端を切断し、RhoAを宿主細胞膜から分離させる。RhoAの喪失は下流のエフェクターを機能させなくする。
※この「GTPアーゼの活性化/不活性化」の解説は、「病原性因子」の解説の一部です。
「GTPアーゼの活性化/不活性化」を含む「病原性因子」の記事については、「病原性因子」の概要を参照ください。
- GTPアーゼの活性化/不活性化のページへのリンク