EXPRESS Rack 4及び5
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/27 04:28 UTC 版)
「きぼう」の記事における「EXPRESS Rack 4及び5」の解説
EXPRESS Rack 4(Expedite the Processing of Experiment to the Space Station Rack 4)及びEXPRESS Rack 5は、2001年8月にスペースシャトルSTS-105で打ち上げられたNASAの実験ラック。EXPRESSラックは国際標準実験ラック(ISPR)の一種で、実験装置に対する電力、通信、真空排気、窒素ガス、冷却(水冷・空冷)、水、取付け機構などの供給機能を持っており、複数分野にわたる科学実験を円滑に進める目的でマーシャル宇宙飛行センター(MSFC)とボーイング社によって開発された。地上から遠隔操作でき、マーシャル宇宙飛行センターにある搭載物運営統合センター(Payload Operations and Integration Center:POIC)で、ペイロード開発者又はペイロードラックオフィサー(PRO)が操作を行う。EXPRESS Rack 4と5は、最初デスティニーに設置され、その後きぼうに移されている。2014年8月31日までの稼働時間はEXPRESS Rack 4が93,654時間で、EXPRESS Rack 5が845時間となっている。ラップトップコンピューターには、Lenovo T61pが用いられている。 「EXPRESS Rack 4」搭載機器(2017年時点)DECLIC(Device for the Study of Critical Liquids & Crystallization) - 流体学に関する実験機器。 NanoRacksプラットフォーム(NanoRacks Platforms) - 実験プラットフォームとして各種実験が行えるNanoRacksモジュールに電力・通信機能を提供し、最大で16のペイロードを搭載できる ELITE-S2(ELaboratore Immagini TElevisive - Space 2) - 宇宙船設計に人間工学を反映させるために無重力化での脳や視覚と運動の関係を明らかにする実験機器。 Plate reader-2 - マイクロプレートリーダーを搭載した実験機器。 TangoLab-1(Payroad Card MultiLab) - カード型のペイロードを複数搭載できる実験機器。 SAMS-II-RTS2(Space Acceleration Measurement System-II Multiple Remote Triaxial Sensor) - ISSに加わる振動や加速度を調べる実験機器 「EXPRESS Rack 5」搭載機器(2017年時点)MERLIN5(Microgravity Experiment Research Locker Incubator 5) - 実験試料を-20度から+48.5度の間で保存できる冷凍・冷蔵庫・恒温器(インキュベーター) SG100 Cloud Computer - より高性能でシングルイベント現象を含むより高い耐放射線性を持った低軌道放射線環境下での長期動作・技術実証を行うコンピューター。 LDST(Long Duration Sorbent Testbed) - 吸着剤の長期試験を行う実験機器。 Advanced Plant Habitat - 植物実験を行う実験機器。 SpaceDRUMS(Space Dynamically Responding Ultrasonic Matrix System) - カナダ宇宙庁とギニエ社(Guigne Space Systems)が開発した超音波浮遊炉で、2009年10月から2013年3月まで燃焼合成実験を行っていたが2015年には撤去されている。
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