DNAショアー・プロジェクト
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「ショアー財団」の記事における「DNAショアー・プロジェクト」の解説
DNAショアー・プロジェクトが開始した遺伝子データベースでは、ホロコーストの犠牲となった人たちとその家族 – 祖父母や両親とその兄弟やいとこ – を結ぼうとしている。このプロジェクトでは少なくとも1万件のDNA検体を回収することを目指し、アメリカ全土でホロコースト生存者のDNA採取を進めているが、2009年4月現在で集め得た検体は1000件台に留まっていた。プロジェクトが目指す生存者の家族の再会には、ヨーロッパ全土の匿名の墓に眠る故人の特定へと結び付ける意図もある。すでに900万人が亡くなり、係累のある人々が移り住んだ結果、世界各地に散らばったことから、DNA照合プロジェクトとしては非常に高い壁を越えなければならない。そこで家庭で検体を採取できるDNA採取キットの配布も行ってきた。 DNAショアー・プロジェクトとの関わりで、アリゾナ大学の遺伝学中心(UAGC)はナショナルジオグラフィック社が進めたゲノムプロジェクトに賛同し、同社及びIBMと提携して2005年から5年間で20万検体のDNA解析を行う計画に参加、アメリカで人種の枠を越えDNA利用による先祖探しのブームに先鞭をつけた。人類がアフリカから旅立って世界へ移住したというナショナルジオグラフィック「人類の旅」プロジェクト(2003年にアメリカでテレビ放映)以来、自分のルーツを科学的に解明したいと考える人が爆発的に増えた結果、2000年から2012年にわたり、少なくとも65万7000人のDNAを解析している。 また研究室のDNA解析研究は、単一の学術賞として最も競争が激しいことで知られるアメリカ国立衛生研究所助成金 (en) 受給を史上初めてアリゾナ州にもたらした。これは「オールオブアス」(国民皆保険)調査イニシアチブの一環として、アリゾナ大学を(コロンビア大学、ノースウェスタン大学、ピッツバーグ大学の世界的に有名な各医療センターとともに)初代の4大コホートに選出したのであり、また大学にとっては4,300万アメリカドルを上回る資金調達に結びついている。
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