BASEGATE横浜関内
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/01 14:50 UTC 版)
BASEGATE横浜関内 (ベースゲート横浜関内) |
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建設中のタワー棟(2025年5月)
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情報 | |
旧名称 | 横浜市旧市庁舎街区活用事業[1][2][3](計画・開発段階の仮称) |
設計者 | 鹿島建設、竹中工務店[4] |
施工 | 鹿島建設、竹中工務店[4] |
事業主体 | 三井不動産〈代表〉、鹿島建設、京浜急行電鉄、第一生命保険、竹中工務店、DeNA、東急、星野リゾート[5][注 1] |
構造形式 | S造・一部SRC造[2][3][6] |
敷地面積 | 16,523 m² [2][6][7]
※街区全体
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建築面積 | 10,439 m² [2][6][7] |
延床面積 | 128,567 m² [2][6][7]
※タワー棟:100,269 m2 [8]
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状態 | 建設中 |
階数 | <タワー棟> 地上33階、地下1階[2][3][6] |
高さ | <タワー棟> 約169 m [2][6][7][注 2] |
駐車台数 | 242台[2][6][7] |
着工 | 2022年7月1日[2][3][6] |
竣工 | 2025年12月26日(竣工式予定)[5] |
開館開所 | 2026年3月19日(予定)[5] |
所在地 | 〒231-0017 神奈川県横浜市中区港町1丁目1番1ほか[4] |
座標 | 北緯35度26分38秒 東経139度38分16秒 / 北緯35.44389度 東経139.63778度座標: 北緯35度26分38秒 東経139度38分16秒 / 北緯35.44389度 東経139.63778度 |
BASEGATE横浜関内(ベースゲートよこはまかんない)は、神奈川県横浜市中区にある再開発エリア(街区)の名称。三井不動産を代表企業とし、鹿島建設、京浜急行電鉄、第一生命保険、竹中工務店、DeNA、東急、星野リゾートの計8社[注 1]が再開発を主導している[5]。
2024年11月13日、街区名称を「BASEGATE横浜関内」に決定したと発表[4][12]。2025年12月26日に竣工し[5]、2026年3月19日に開業予定である[5][13][注 3]。
概要
村野藤吾の設計による7代目の旧横浜市役所庁舎跡地(旧市庁舎街区)を中心とした再開発計画であり、JR関内駅南口付近北側の横浜スタジアム隣接地に位置する。開発コンセプトは「MINATO-MACHI LIVE(みなとまち ライブ)」で、旧市庁舎行政棟を保存・活用するなど新旧融合を図り、エンターテインメント・イノベーション拠点となる新たな街を創造することを目指している[14][15]。2022年7月に新築工事が着工し[15]、2025年12月26日の竣工(竣工式予定)および2026年3月19日の開業(グランドオープン)を予定している[5][13]。
地上33階建て、高さ約170 mのタワー棟(オフィス、大学、新産業創造拠点、商業店舗、エデュテインメント施設「ワンダリア横浜 (Wonderia)」などが入居予定)や低層棟のライブビューイングアリーナ「THE LIVE (ザ ライブ)」などを建設するほか、旧市庁舎行政棟は保存され、星野リゾートのホテル「OMO7横浜」や商業施設が入る「ザ レガシー」として活用予定である[4]。さらに、「ザ レガシー」の商業エリア1階[16]と横浜スタジアム寄りにある「スタジアムサイドテラス」[注 4]の1・2階[16]には、小規模飲食店(34店舗)が入居する「スタジアム横バル街」[注 5]を開設予定である[4][5]。
着工直後の2022年7月29日には「(仮称)横浜市旧市庁舎街区活用事業」として、国土交通大臣の民間都市再生事業計画に認定されている[1]。また、前述の行政棟は2025年8月5日に戦後の建築物としては初めての横浜市認定歴史的建造物に認定されている[18]。
オフィスエリアは、環境認証の「CASBEE ウェルネスオフィスSランク」「ZEB Oriented」を取得、タワー棟全体では「DBJ Green Building認証」の取得を予定している[4]。
敷地内の交通結節拠点からは京急・東急・WILLER EXPRESSにより羽田空港・鎌倉・箱根への高速バスが運行されるほか、既存のオープントップバスの乗り入れや低速度の電動乗合自動車であるグリーンスローモビリティ「関内キャタピ(仮称)」による関内・みなとみらい地区の周遊ツアー[5][19]なども計画されている[11][14]。
タワー棟
33階建てタワー棟の高層階(11階以上)にはオフィス・大学関連のテナントが入り、8階より下の低層階にはウェルネスセンター、新産業創造拠点、エデュテインメント施設「ワンダリア横浜」、商業店舗(後節参照)などが入る予定である[4]。
オフィス・大学
オフィスエリアは高層階の12〜33階にあたる。エントランス(玄関口)は11階スカイロビーに設けられており、ラウンジやカフェ(キャラバンコーヒー)、コンビニなども設置予定[4][5]。
- オフィス
- 大学関連
ウェルネスセンター
7・8階にはクリニックやジムなどが入る「ウェルネスセンター」を設置予定[21]。
新産業創造拠点
6階にはライフサイエンス領域での革新的な発明やイノベーションの創出を目指す「新産業創造拠点」を設置し、ウェットラボや交流ラウンジ、イベントスペースなども完備する賃貸ラボ・オフィス「三井リンクラボ横浜関内(仮称)」を開設予定[4][5][21][22]。
ワンダリア横浜
3・4階に「ワンダリア横浜」(Wonderia) を開設予定[23]。DeNAが手掛けるエデュテインメント・没入型体験施設で、2026年春の開業を予定している。メインとなる4階の体験施設は森林や深海など6つのゾーンで構成され、探索しながらアプリで生き物の情報を取得したり、生き物を探すミッションに挑戦することも可能である[5][23][24]。また、3階にはワンダリアカフェ・ショップも併設される[23]。
ザ ライブ
正式名称は「THE LIVE supported by 大和地所」。横浜DeNAベイスターズが手掛ける3階建ての常設型ライブビューイングアリーナで、2026年3月19日に開業予定。中心に大型LEDビジョン(高さ約8 m×幅約18 m)を設置し、野球をはじめスポーツの試合や音楽ライブなど“ライブエンターテイメント”を楽しめる[5][25]。また、1階「LIVE FOOD HALL」ではこのライブ空間の周囲に複数の飲食店を配置するほか、2階には横浜で活躍するプロスポーツチームのグッズショップ「BAYSTORE Flagship YOKOHAMA」、3階にはテラスを設けたレストランも開設予定である[5][26]。
ザ レガシー
8階建ての旧横浜市庁舎行政棟(横浜市認定歴史的建造物)を保存活用した施設である。下記ホテルのほか、低層部(1・2階[14])に商業店舗(後節参照)も入る予定である。
OMO7横浜
OMO7横浜 OMO7 Yokohama |
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ホテル概要 | |
正式名称 | OMO7横浜 by 星野リゾート |
運営 | 星野リゾート |
階数 | 3 - 8階 |
部屋数 | 276室 |
開業 | 2026年春 |
公式サイト | 公式サイト |
正式名称は「OMO7横浜 by 星野リゾート」[注 6]。1階にロビーを構え、3〜8階[14]に276室の客室を設ける[27]。前述の行政棟を活用した「レガシーホテル」で、旧市庁舎内の泰山タイルアートをカフェの壁面に活用するほか、旧議会棟議場の円形照明の要素をロビーの照明デザインに継承、市民広間の大階段を木製手すりなど一部活用した上でロビーの吹き抜け階段として再現するなどしている[27][29]。
2025年10月22日に宿泊予約受付を開始し、ホテルの詳細情報も発表予定である[5]。
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現役時代の旧市庁舎街区行政棟(2009年1月)
商業エリア
タワー棟低層部(1〜5階)[注 7]やザ レガシー低層部(1・2階[14])、横浜スタジアム側(東端)のスタジアムサイドテラス、関内駅前港町地区側(西端)のグリーンウォークテラスに商業店舗が設けられる(いずれも後節のデッキ沿いに設置)[4]。
飲食店を中心とした55店舗が出店予定で、このうち34店舗はザ レガシーの1階やスタジアムサイドテラスの1・2階[16]に開設される小割飲食ゾーン「スタジアム横バル街」に出店予定である[5][30]。このゾーンは横浜発祥や神奈川県産、さらに国内外の食文化を体感できる店舗が出店しており、全店が協力して一体感のある企画・運営を行ない、イベントの開催なども予定している[5]。
また、ザ レガシーにはコワーキングスペースやアートギャラリー・ショップ、洋食ダイニングなどを併設する有隣堂の新業態店舗(文化発信拠点)、スタジアムサイドテラスにはサルヴァトーレ・クオモ監修のイタリアン・ダイニング「The TRATTORIA SALVATORE & CAFÉ」の出店も予定されている[5][30]。
ギャラリー
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建設工事の様子(2024年2月)
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横浜スタジアムから見たタワー棟の景観(2025年7月)
周辺の開発とデッキ接続
関内駅北側の再開発エリア「関内駅前地区」において当街区はA地区に該当しており、周辺でも再開発が計画されている[31]。隣接地の関内駅前港町地区および北口地区(共に関内駅前地区のB地区の一部に該当[31])においても超高層ビル2棟の建設(いずれも2029年度竣工予定)が計画されており[32]、2024年5月24日に「関内駅前地区第一種市街地再開発事業」として都市計画が決定された[33][34]。
当街区から横浜スタジアム・横浜公園方面へ「みなと大通りデッキ」で接続するほか、港町・北口地区方面にもスムーズに移動できる接続デッキの整備が計画されている(いずれも当街区内に整備されるデッキと接続)[4][32]。
脚注
- 注釈
- ^ a b 企業コンソーシアム「KANNAI 8 (カンナイエイト)」を結成[10]。なお、星野リゾートは建築主には含まれない[3][6][7]が、全額出資して関内ホテルマネジメントを設立しホテルの運営を手掛ける[11]。
- ^ タワー棟の高さについて、「都市景観形成行為のお知らせ」などでは166.78 m とされる[7][9]。
- ^ 敷地の借地期間は工事期間も含めて78年間を想定(運営期間のみでは70年間)[11][14]。
- ^ 2024年11月の街区名称発表時のプレスリリースで「スタジアムサイドテラス」とされた[4]が、これ以前は「みなとテラス」と呼称されていた[15][16][17]。
- ^ 出店者募集段階の2024年4月時点では「KANNAI バル街区」と仮称されていた[16][17]。
- ^ OMO7(おもセブン)は、星野リゾートの街ナカホテルブランド「OMO」の中でもカフェ・レストラン・バンケット・ビュッフェスタイルの朝食、ローカルガイドアクティビティなどを備えたフルサービスホテルで、OMO7旭川、OMO7大阪、OMO7高知に続き4施設目となる[4][27][28]。
- ^ 3・4階には「ワンダリア横浜」が入る[23]。
- 脚注
- ^ a b 関内駅周辺地区の新たな賑わいの核の形成 ~(仮称)横浜市旧市庁舎街区活用事業を国土交通大臣が認定~/認定事業計画の内容資料〈アーカイブ〉 (PDF) (国土交通省 令和4年〈2022年〉7月29日)
- ^ a b c d e f g h i (仮称)横浜市旧市庁舎街区活用事業新築等工事の建築計画を公開中(建築計画のお知らせ看板データベース)
- ^ a b c d e (仮称)横浜市旧市庁舎街区活用事業新築等工事(株式会社建設データバンク「建築計画のお知らせ看板情報」)
- ^ a b c d e f g h i j k l m n “JR「関内」駅前「横浜市旧市庁舎街区活用事業」「BASEGATE横浜関内」に街区名称決定”. 三井不動産株式会社 (2024年11月13日). 2024年11月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年11月25日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t “JR「関内」駅前 大規模ミクストユース型プロジェクト 「BASEGATE横浜関内」2026年3月19日グランドオープン”. 三井不動産株式会社 (2025年9月24日). 2025年9月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年10月1日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i BASEGATE横浜関内(日本の超高層ビル)
- ^ a b c d e f g 地上33階、高さ169m「BASEGATE横浜関内」の建設状況!横浜市旧市庁舎跡地の星野リゾートのホテルも併設される複合施設(2025.5.3)(超高層マンション・超高層ビル 2025年5月7日)
- ^ 横浜市旧市庁舎街区活用事業 タワー棟オフィス(BASEGATE横浜関内 オフィス)(鹿島建設株式会社:販売中・賃貸中物件)
- ^ 横浜市旧市庁舎街区に「BASEGATE横浜関内」 2025年12月に完成、2026年春にグランドオープン(ヨコハマ経済新聞 2025年3月1日)
- ^ 横浜市現市庁舎街区活用事業 基本協定書締結について(企業コンソーシアム「KANNAI8」 2020年1月30日)
- ^ a b c 横浜市の市庁舎が星野リゾートが手掛けるホテルに 2024年度に開業予定(ヨコハマ経済新聞 2019年9月4日)
- ^ “JR関内駅前再開発、「BASEGATE横浜関内」に 25年末竣工”. 日本経済新聞 (2024年11月14日). 2024年11月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年11月25日閲覧。
- ^ a b “ベースゲート横浜関内、26年3月開業 三井不動産など再開発の大型施設”. 日本経済新聞 (2025年9月24日). 2025年9月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年10月1日閲覧。
- ^ a b c d e f 『現市庁舎街区の事業予定者を決定しました!』(pdf)(プレスリリース)横浜市都市整備局都心再生課、2019年9月4日。オリジナルの2021年11月18日時点におけるアーカイブ 。2019年9月5日閲覧。
- ^ a b c JR「関内」駅前に「横浜市旧市庁舎街区活用事業」着工 旧市庁舎行政棟を保存・活用し、横浜の歴史や文化を継承 「新旧融合」の新たな街が2026年春グランドオープン〈アーカイブ〉(三井不動産株式会社 2022年7月12日)
- ^ a b c d e 関内駅前に「KANNAI バル街区」が2026年春に誕生 出店者を募集(ヨコハマ経済新聞 2024年4月8日)
- ^ a b 旧市庁舎活用 小型飲食店 出店者募る(タウンニュース中区・西区・南区版 2024年4月4日)
- ^ 横浜市都市整備局都市デザイン室 (2025年8月5日). “「旧横浜市庁舎行政棟」を戦後建造物で初の歴史的建造物に認定し、保全活用を進めます!”. 横浜市. 2025年8月5日閲覧。
- ^ 横浜関内観光 GSM(グリーンスローモビリティ)乗車券付きプラン(日本旅行)
- ^ ワークエンゲージメント向上を支える「co-ba」新拠点、2026年春 横浜・関内に誕生(バ・アンド・コー株式会社〈PR TIMES〉 2025年9月24日)
- ^ a b “完成まであと1年! 横浜で開発中の「BASEGATE横浜関内」に迫る”. 神奈川新聞「カナロコ」 (2024年11月22日). 2024年11月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年11月25日閲覧。
- ^ (仮称)三井リンクラボ横浜関内(三井リンクラボ公式サイト内)
- ^ a b c d 2026年春に開業予定のDeNAが手がける没入型体験施設「ワンダリア横浜」世界観を表現する新ビジュアルと体験を深める施設専用アプリなど最新情報を公開(DeNA〈PR TIMES〉 2025年9月24日)
- ^ ワンダリア横浜(公式サイト)
- ^ THE LIVE(公式サイト)
- ^ 日本最大級の常設型ライブビューイングアリーナ「THE LIVE supported by 大和地所」2026年3月19日(木)に開業!(株式会社ディー・エヌ・エー〈DeNA〉 2025年9月24日)
- ^ a b c 2026年春開業「OMO7横浜(おも) by 星野リゾート」デザインイメージを一部初公開(星野リゾート〈PR TIMES〉 2025年4月22日)
- ^ OMO(おも)(星野リゾート公式)
- ^ OMO7横浜開業ページ〈アーカイブ〉(星野リゾート公式)
- ^ a b BASEGATE横浜関内 入居テナント一覧 (PDF) (BASEGATE横浜関内公式サイト内)
- ^ a b 地区計画:C-115:関内駅前地区(横浜市)
- ^ a b (仮称)関内駅前地区第一種市街地再開発事業 まちづくり・景観形成検討資料〈アーカイブ〉 (PDF) (横浜市都市美対策審査会政策検討部会 2022年9月5日)
- ^ “関内駅前地区第一種市街地再開発事業”. 横浜市. 2025年5月9日閲覧。
- ^ 三菱地所など、「関内駅前地区第一種市街地再開発事業」の都市計画決定を発表(日本経済新聞 2024年5月24日)
関連項目
外部リンク
- BASEGATE横浜関内(公式サイト)
- BASEGATE横浜関内 オフィス(横浜市旧市庁舎街区)
- ワンダリア横浜(公式サイト)
- THE LIVE(公式サイト)
- OMO7横浜開業ページ(星野リゾート公式)
- 横浜市
- BASEGATE横浜関内のページへのリンク