AH-1TからAH-1Wの開発へ
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「AH-1W スーパーコブラ」の記事における「AH-1TからAH-1Wの開発へ」の解説
ベル社では、アメリカ海兵隊向けの発達型としてモデル309 キングコブラを開発し、1971年9月に初飛行させた。しかし、アメリカ海兵隊ではこのキングコブラを採用せず、エンジンを出力向上型へ換装するとともに大出力化対応として駆動システムに民間型のモデル214のものを使ったAH-1Tの装備へと進んだ。 AH-1Tは1975年6月に発注され、初号機は1976年5月20日に初飛行した。1977年10月15日からアメリカ海兵隊への引き渡しが開始され、57機発注されたうちの51機は後にBGM-71 TOW対戦車ミサイルを携行できるようになり、機首にはM65 TOW照準器が付けられた。AH-1Tはグレナダ侵攻などで実戦投入されている。 アメリカ海兵隊ではAH-1Tにより高い作戦能力を求め、さらなる発展型の装備を計画した。この発展型には最大推力1,285kWのゼネラル・エレクトリック製T700-GE-700ターボシャフト・エンジンを双発装備することとし、AH-1TをT700-GE-401に換装したAH-1T+試作試験機が製作され、1983年11月16日に初飛行した。AH-1T+は主にエンジンの実証試験に使用され、飛行試験中には量産型に向けての各種改修も施された。 アメリカ海兵隊では、1985会計年度にまず22機を発注し、以後装備を進めることとなった。量産型にはAH-1Wの名称が与えられ、新造機169機、整備訓練用に2機が生産された。また、AH-1Jは全機退役させるが、AH-1Tは42機をAH-1W規格に改修することとした。 また、AH-1Wの兵装システムは当初、AH-1Tと同様であったが、1990年代に入ると性能向上改修第1段階が開始され、イスラエルのIAI-タマム製夜間目標指示システム(NTS)を装備することにより、AGM-114ヘルファイアやTOW対戦車ミサイルを昼夜間および天候状況を問わず使用できるようになった。また、就役後期には赤外線放出を抑えたエンジン排気口を追加装備している。 AH-1Wは湾岸戦争で初めて実戦投入され、同戦争で投入された攻撃ヘリコプターで最も高い稼働率を記録している。
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