AH-1W近代化プログラムとAH-1Zへの発展
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AH-1Wのアップグレード作業と並行して、AH-1W近代化計画としてAH-1(4B)Wが開発され、トランスミッションの出力増加、メインローターの4枚化、安定板の設計変更、グラスコックピット化、軍規格1553Bデジタル・データバスの二重装備、小翼の大型化などの改善が盛り込まれた。ただ、この近代化計画は後に変更が加えられ、AH-1Z ヴァイパーとして実用化された。 AH-1Z計画は、海兵隊が装備するUH-1N ツインヒューイの性能向上と並行して行うもので、共通の性能向上型コンポーネントを使うことで改修費用抑制も狙っている。性能向上項目としては、新型4枚ブレードのメインローター、新型トランスミッションの採用、先進の統合電子機器/フルカラー・グラスコックピットの装備、対電磁波能力および塩害対策仕様、T700-GE-401Cエンジンの装備などで、AH-1Zではこれらに加えて、第3世代の光学センサー・システムの装備、広範な搭載兵装が加えられる。 1996年に海兵隊はAH-1Z計画を進める方針を固め、同年11月15日にベル社へ開発契約を与えた。これに基づいて3機の試作機が製作され、2000年11月20日に試作初号機NAH-1Zが工場より初出荷され、同年12月7日に初飛行した。NAH-1Zによる飛行試験中に水平安定板の設計変更が必要であることが判明し、試作2号機の改修作業に遅れが生じた。この結果、量産改修も2004会計年度からの承認となり、初期作戦能力(IOC)獲得も2007年に変更された。量産改修が開始されれば、2004および2005会計年度は低率初期生産(LRIP)となるが、2006会計年度以降は作業が最大となり、年間24機のAH-1WがAH-1Zに再生される予定で、海兵隊では180機のAH-1Wを改造して配備する計画としている。その後2020年 10月19日に海兵隊から最後の機体が退役し、海兵隊での34年の就役期間に幕を閉じた。
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