A1号墳
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/25 01:53 UTC 版)
阿尾島田A1号墳は、丘陵最高所に所在する阿尾島田古墳群の主墳。2001-2002年度(平成13-14年度)に発掘調査が実施されている。 墳形は前方後円形で、前方部を東方に向ける。墳丘に段築は認められない。墳丘の規模は次の通り(推定復元値)。 墳丘長:約70-72メートル 後円部 - 楕円形。直径:約32-36メートル 高さ:約3.2メートル-5.3メートル以上 前方部長さ:約36メートル 高さ:約1.7メートル以上 富山県内では柳田布尾山古墳(前方後方墳、107.5メートル)に次ぐ規模で、前方後円墳としては富山県内で最大規模になる。墳丘表面で葺石・埴輪は認められていない。主体部の埋葬施設は後円部墳頂において次の2基が認められる。 第1主体部未盗掘の割竹形木棺。後円部中央において墳丘主軸と直交して構築され、長さ約6.9メートル・幅約0.9メートルを測る。木棺の蓋上・内底面には赤色顔料が塗られるほか、木棺内から鉄製武器(槍1・長剣1・短剣5・鏃5)・農耕具(刀子2・鑿1・鉇1・斧1・鍬鋤先2)・漁具(簎1)・玉類(管玉24・翡翠垂玉1・ガラス小玉65・ガラス連玉1・錫小玉6・碧玉荒割品1)が検出されている。また付近から短剣1・鉄鏃1・刀子1が検出されている。 第2主体部木棺(割竹形木棺または舟形木棺と推定)。第1主体部とは軸を違えて頭位を東南東方として構築され、長さ約3.5メートル、幅約0.5メートルを測る。棺内から小型銅鏡1点、ガラス小玉4点が検出されているほか、足元の位置で赤色顔料をいれた副葬坑状施設が認められる。 この阿尾島田A1号墳は、古墳時代前期後半頃の築造と推定される。柳田布尾山古墳とは、同時期またはやや先行する時期と見られる。
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