4端子モデル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/29 13:52 UTC 版)
詳細は「二端子対回路」を参照 解析においては、伝送線路は2ポート(端子対)回路網(4端子回路網)におけるモデルとして扱われる。これは次の様に表される。 最も単純な場合、伝送線路の回路は線形であると仮定する。すなわち、反射が無いと仮定した場合、両端子間の電圧は、その端子から流れ込む電流に、(複素成分も含め)比例する。この時、伝送線路が、その長さ全体において均一である場合、2つのポートは交換可能であると考えられる。すなわち、この振る舞いは、特性インピーダンスZ0と呼ばれる1つのパラメータで記載が可能である。この特性インピーダンスは、伝送線路上の任意の点において同一の波形である複素電圧波形と複素電流波形の比を表している。同軸ケーブルではZ0は50もしくは75オームであることが多く、ツイストペア(より対線)では約100オーム、一般的な平行線(レッヘル線)は約300オームである。 伝送線路に、電力を入力する場合、ほとんどの電力が負荷に到達し消費され、電源への反射が極小となるのが望ましい。これには、電源と負荷のインピーダンスをZ0にすることが必要であり、この場合、伝送線路は、整合していると言う。 伝送線路に入力した電力の一部は抵抗により失われる。この効果は、抵抗性の損失と呼ぶ(ジュール熱を参照)。高周波では、抵抗による損失に加え、誘電損と呼ばれるが重要となってくる。この誘電損は、伝送線路内の絶縁体材料が、変動する電界からエネルギーを吸収し、熱に変換するために発生する(詳細は、誘電加熱を参照)。 伝送線路における電力の損失量の合計は長さあたりデシベルで表記されることがあり、これは信号の周波数に依存する。製造メーカは通常、周波数に対する損失をdB/mで記載した表を提供している。3dBの損失はパワーで約半分の損失に相当する。 高周波用の伝送線路は、伝送線路の長さと同等もしくはそれより短い波長の電磁波を伝送するように設計される。この状況では、低周波における計算で使用される近似は利用できない。これは、無線、ミリ波、光通信の信号において使用され、高速のデジタル回路においても使用される。
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