32ビットのMIPSシステムと64ビットのAlphaシステム
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「ディジタル・イクイップメント・コーポレーション」の記事における「32ビットのMIPSシステムと64ビットのAlphaシステム」の解説
詳細は「DEC Alpha」を参照 DEC内の別のグループは、VAXシステムがその問題に対処する前にサン・マイクロシステムズやシリコングラフィックスのワークステーションがDECの既存顧客の大部分を奪ってしまうと考え、できるだけ早く自前のUnixワークステーションを開発する必要があると判断した。PRISMやVAXの遅々として進まない開発に業を煮やしたパロアルトのグループがプロジェクトを開始。MIPSプロセッサを採用したDECstationを開発し、1989年1月11日に DECstation 3100 をリリースした。それらシステムは市場である程度成功を収めたが、後にAlphaベースの類似シリーズで完全に置換された。 1992年、DECはAlpha命令セットアーキテクチャを初めて実装した Alpha 21064 をリリースした。VAXの32ビットCISCアーキテクチャとは全く異なる64ビットRISCアーキテクチャであり、32ビットからの拡張ではない純粋な64ビットマイクロプロセッサとしても最初期の1つである。当初から性能面ではずば抜けており、2000年代まで高性能さを維持し続けた。2004年11月時点でも AlphaServer SC45 というスーパーコンピュータが性能で世界第6位に位置していた。Alphaベースのコンピュータ(DEC AXPシリーズ。後にAlphaServer(英語版)とAlphaStation(英語版)に改称)はVAXアーキテクチャ製品とMIPSアーキテクチャのDECstationを代替することとなった。オペレーティングシステム (OS) としては、OpenVMS、DEC OSF/1 AXP(後に Digital Unix、さらには Tru64 UNIX と改称)、マイクロソフトの Windows NT が動作した。 1998年にDECがコンパックに買収されると、マイクロソフトはAlpha向け Windows NT の開発とサポートをやめることを決定。これがAlphaベースのコンピュータの終わりの始まりとなった。 DECはUNIXサーバ市場に対抗すべく、POSIX互換機能を追加してVMSをOpenVMSとし、また自前のUnix(PDP-11/VAX/MIPS用のUltrix、Alpha用のOSF/1)を売り出すため、積極的に広告を展開し始めた。しかし、DECは混沌としたUNIX市場に乗り込む準備ができていなかった。さらにインテル製CPUのWindows NTサーバがローエンド市場を侵食し始めた。かつてのDECの顧客を超えてシェアを獲得することは不可能だった。
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