2017年地震等に伴う影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/03 05:21 UTC 版)
「九寨溝」の記事における「2017年地震等に伴う影響」の解説
2017年8月8日に発生した九寨溝地震では、当日約3万3,800人の観光客(外国人旅行者含む)が訪れていたとみられ、8月10日時点で死者19人、負傷者263人を数え、建物の安全が確認できないため旅行者は九寨黄龍空港のロビーなどに避難、日本人旅行者も巻き込まれている。 世界遺産としての被害は、湖成段丘の堤が決壊し水が流出して枯れてしまったほか、周囲の山が崩壊し土石流が流入した。これに関しては中国の専門家から「人工的な復元はしないほうがいい」と指摘する意見も出されている。 ユネスコは犠牲者への哀悼の意を表し、損壊状態の確認について現地状況が落ち着くのを待ち、中国当局からの経過報告を待つことにした。 中国政府は秋に共産党大会を控えており政治的に敏感な時期を迎えているため、社会安定の維持に細心の注意を払う必要があると判断し、習近平・李克強政権が被災者・旅行者の避難に万全を期すことを表明。 日本は、河野太郎外務大臣が王毅外相に「哀悼の意と心からのお見舞い」を示すとともに「必要な支援を行う用意がある」と申し出た。 本地震により火花海などの湖が干上がったり、道路の崩壊等で甚大な被害を受けて観光が閉鎖されていたが、2018年3月8日一部観光が再開された。再開された景観地は長海、五彩池、鏡海、諾日朗瀑布、火花海を除く樹正群海、双龍海瀑布、扎如寺で、当面(1年を予定)の間団体客のみを受け入れるとしていた。しかし、同年6月25日夜の豪雨により、崖崩れ等の損傷を受け再度閉鎖となった。このため、景区内の道路の全面改修等全面的な復旧工事を行ない、2019年9月27日再度一部観光を再開した。現在は個人観光も再開されたが、新型コロナウイルスの影響により中国籍(香港、マカオ、台湾を除く)の観光客のみの受け入れとなっており、外国人の入場は認められない。また、保険への加入が義務付けられ、一日あたりの入場者が8000人までに制限されている。
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