2013年モスクワ市長選と訴訟
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「アレクセイ・ナワリヌイ」の記事における「2013年モスクワ市長選と訴訟」の解説
2012年7月31日、彼は横領罪で起訴された。連邦捜査委員会によれば2009年の材木契約における彼の非公式顧問としての役割が捜査対象になっており、また連邦捜査委員会のウェブサイトでは彼が横領目的の犯罪グループを組織していたことが判明したと掲載された。2013年7月5日、当局は禁固6年と罰金100万ルーブル(約300万円)を求刑した。AFPはこの裁判は異例の速さで進行していると報じ、同年9月のモスクワ市長選に彼が立候補する前に収監するためだという見解を掲載した。被告側は明らかにでっちあげの罪状だと主張していたが、7月18日、裁判所は禁固5年の判決を下した。この判決に対し、駐ロシア米国大使が失望したと述べるなど国際社会からは批判された。だが、翌日の19日、裁判所は上訴が可能な期間中は彼を収監しない旨を決定した。これにより、上訴審で1審判決が支持されるまでは被選挙権が剥奪されないため、彼は市長選への立候補が可能になった。AFPが報道した専門家の見解によれば、彼の釈放は前例がなく、明らかに政治的理由があるという。なお、大統領側は不正はなく法に基づいた処置だと主張している。北海道大学の木村汎は「2013年のモスクワ市長選に、プーチン陣営は「横領」で執行猶予の判決を受けたナヴァーリヌイ氏を思い切って出馬させることにした。市長選が現職当選確実の単なるセレモニーにすぎないとの印象を払拭しようと考えたからだった。」「ところが同選挙でナヴァーリヌイ氏が予想以上に善戦したので、来年の大統領選で同様の処置をとることが難しくなった。」と述べている。 同年9月8日、モスクワ市長選の投開票が行われた。彼は選挙に不正があったと主張、大統領側近で現職のセルゲイ・ソビャーニンの実際の得票率は半数以下だと述べて決選投票の実施を求めた。 2014年12月30日、彼はフランスの化粧品会社イブロシェ(英語版)への詐欺罪で執行猶予ありの懲役3年6ヶ月を言い渡された。なお、イブロシェ側は被害を受けていないと公表していた。彼はこの判決を受けてモスクワでの無許可デモを呼びかけ、自宅軟禁命令に反して自宅を脱出し、同日当局に拘束された。 2016年、欧州人権裁判所は2013年に有罪判決の下りた横領罪について、公正な裁判ではなかったとして裁判無効との判決を下した。だが、ロシアの最高裁は再審を指示、2017年2月8日に執行猶予つきの禁固5年の判決が言い渡された。
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