2008年・ジェイ・Zのヘッドライナー出演を巡る騒動
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「グラストンベリー・フェスティバル」の記事における「2008年・ジェイ・Zのヘッドライナー出演を巡る騒動」の解説
オアシスのノエル・ギャラガーは2008年、不振が続いていたチケットセールスに関して、ヘッドライナーに抜擢されたジェイ・Zに言及し、「“壊れてないものは修理するな”だ。(主催者が同フェスの長年の伝統を)壊してこれまでと違う事をし始めるって言うなら、観衆はみんな行かなくなるだろう。悪いが、ジェイ・Zだって? あり得ない。」「グラストンベリーはギター・ミュージックという伝統がある。」「俺は、グラストンベリーにヒップホップは求めてない。間違ってる。」と、ジェイ・Zのヘッドライナー出演に苦言を呈し、ロックの聖地と考えられている同フェスの路線変更を嘆いた。 ノエルのこの発言によって方々で議論が巻き起こる中、主催者のイービス親子は、「どうして、彼(ノエル)が口出してくるんだ?失望したね。彼は(グラストンベリーは)ギター・バンドの場だって言ったけど、その通り、たくさんのギター・バンドがプレイする事になってる」と反論し、コールドプレイのクリス・マーティンは「彼は世界1のラッパー。(ジェイ・Z抜擢の)この騒ぎにはちょっと恥ずかしいとさえ思ってるよ」とジェイ・Zを擁護するコメントを発した。 渦中のジェイ・Z本人は、この時代、そういった(ロックやヒップホップに)境界線があるほうがおかしいとする持論を展開。「音楽を分類したがる奴らもいる。でも、今の若者は音楽をそういう風に聴いてないだろ?俺はどんなタイプのものでも聴く。そうであるべきだと思ってる。それが今の世界だ。いろんなカルチャーがミックスされてるべきだ。(分けるとしたら)いい音楽か、悪い音楽かってだけだ。」そして「新しいものを受け入れないで、どうやって発展していくって言うんだ?全くもって古い考え方だ。世の中の動きについていってない。(批判されて)ほんと驚いた」と反論した。 当のノエル・ギャラガー本人は、この騒動に関し「そもそもチケットセールスに関して意見を求められ、自分の考えを話しただけだ」「レコードに関して言えばジェイ・Zは気に入ってる。それが俺の意見だ。もし俺の発言が人を傷つけると言うなら、もう質問なんかするな」と話し、マスコミの大げさな報道を批判した。 ジェイ・Zは当日、BBCのテレビ番組にて、ジェイ・Z批判を行っているノエルのインタビュー映像をビッグ・スクリーンに映し出し、ショーはスタート。ギターを抱えてステージに登場するや、事もあろうにオアシスの「Wonderwall」をカヴァーし、サビのところでマイクを観客に向けると観客は大合唱。ジェイ・Zコールが鳴りやまぬまま、AC/DCのギターリフをサンプリングした自身の楽曲「99 Problems」になだれ込むパフォーマンスを行った。 しかしながら、完売が続いていた近年にあってチケット・セールスは数百枚売れ残る程になり、その原因を同フェスの路線変更に求める声は当初は少なくなかったが、翌年からはチケット発売を前倒ししてのセールス展開を試み成功を収めている。 これらの動きに関して、カサビアンのトム・ミーガンは「ジェイ・Zのパフォーマンスは最高に素晴らしかったな。あいつはすごい。今年のグラストが売り上げともども不評だった問題は、全体的なラインナップの迫力不足が原因だろうね。俺達も出演してなかったしさ」とコメント。トラヴィスのダギー・ペインも「彼のパフォーマンスを実際に観たけど、すごく良かった。ノエルとは友達だけど、さすがにあれは失言だったね。間違いさ。」と話した。また、彼がライヴで披露した「Wonderwall」、「99 Problems」が、旧譜でありながら翌日からのUKシングルチャートに復活し、大きなリバイバル・ヒットを記録した。これに対してノエルは「俺の****(おそらくFuck)な曲がチャートに入った。ジェイ・Zの人気は天井知らずだな。みんなの勝ちさ。彼は俺(の発言が)間違って伝えられたってわかってるさ」と発言。
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