20世紀のヨーロッパ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/05 01:19 UTC 版)
「トレイン・シェッド」の記事における「20世紀のヨーロッパ」の解説
北アメリカでの流行が終わった後も、ヨーロッパではトレイン・シェッドの新設がしばらく続いた。 1900年のパリ万国博覧会に合わせて開業したオルセー駅は、長距離列車のターミナル駅としては初めて、蒸気機関車の乗り入れない電気機関車専用の駅である。ここでは、トレイン・シェッドと駅舎が完全に一体化し、一つの屋根の下にプラットホーム群と出札所、待合室などやホテルが同時に収められた。 フランスでは1900年の万博の後は主要駅の新設や改修はしばらく途絶えた。第一次世界大戦までの間、トレイン・シェッドの建設が最も盛んだったのはドイツである。1906年開業のハンブルク中央駅では、掘割状のプラットホーム群をトレイン・シェッドが覆い、シェッド内にあるコンコースから各ホームに階段で下る構造がとられた。そして1915年に完成したライプツィヒ中央駅は、6連アーチとその両側の小アーチからなるトレイン・シェッドを持ち、全幅は298.6mに達した。 第一次世界大戦後は、フランスの地方都市で鉄筋コンクリート製のトレイン・シェッドがいくつか建設されている。このうち港町であるシェルブールとル・アーヴルのものは、旅行者に対する印象を念頭に設計された。またランスでは、トレイン・シェッドが第一次世界大戦で破壊されたまま、復旧されない方針であった。ところがランス市民は、トレイン・シェッドを失ったままでは都市の格が下がったように感じるとして、トレイン・シェッドの再建を求める運動を行なった。このため鉄筋コンクリート製の新しいシェッドが建設され、1934年に完成した。 戦間期に建設された他のトレイン・シェッドとしては、イタリアのミラノ中央駅(1933年)がある。 ハンブルク中央駅 ライプツィヒ中央駅(1916年) ライプツィヒ中央駅コンコース(右側がトレイン・シェッド) ミラノ中央駅 博物館に転用されたシェルブール臨港(マリティーム)駅(英語版)(2010年撮影)
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