1980年: 草創期
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/13 21:18 UTC 版)
「Informix」の記事における「1980年: 草創期」の解説
ロジャー・シップル(Roger Sippl)とローラ・キング(Laura King)は、S-100バスコンピュータメーカーであるクロメンコに勤務していた。そこで報告書作成ソフトウェアのための ISAM技術に基づいた小型の関係データベースの開発に従事した。 シップルとキングは1980年にクロメンコ社を辞め、Relational Database Systems (RDS)を設立した。最初の製品Marathonは彼らがクロメンコで開発したシステムの16ビット版であり、ザイログの初期のマイクロプロセッサ向けのUNIX (Onyx) 上で動作した。 彼らは成長しつつある関係データベース管理システム (RDBMS) 市場に注目し、1981年にInformix (INFORMation on unIX)をリリースした。これには独自の言語 Informer が含まれていた。また、データを抽出して読みやすい報告書を作成するサブシステムACEも付属していた。画面入力フォーム作成ツールPERFORMもあり、ユーザーが対話的にデータベースとやりとりすることができた。この製品の最終バージョンは3.30で、1986年にリリースされた。 1985年、新たなSQLベースのクエリエンジンがINFORMIX-SQL (ISQL) バージョン1.10の一部としてリリースされた。もちろんACEとPERFORMのSQL対応版も含まれている。ISQLと以前のInformixの最大の違いは、データベースアクセスコードをクライアントコードと完全に分離した点である。これがクライアント・サーバ型のデータベースシステムへの布石となった。 1980年代前半を通してInformixは市場で優位に立つことはなかったが、1980年代中ごろにはUNIXとSQLの組合せが人気となり、情勢が変わってきた。1986年には株式公開にこぎつけ、社名をInformix Softwareに変更した。当時の製品はINFORMIX-SQLバージョン2.00と INFORMIX-4GL 1.00であり、どちらもデータベースエンジンと開発ツールを含んでいる(I4GLはプログラマ向け、ISQLは非プログラマ向け)。 その後も新製品のリリースが続き、新たなクエリエンジンを使ったINFORMIX-Turboがリリースされた。TurboはISAMよりマルチユーザー性能が優れたRSAM技術を使っている。1989年、バージョン4.00製品がリリースされ、TurboはINFORMIX-OnLineと改称(オンライン状態でユーザーが使用中にデータベースバックアップが可能)、従来のC-ISAMベースのサーバ機能(ISQLとI4GL)はツール群と分離され、INFORMIX-SE (Standard Engine) と改称された。Informix OnLineのバージョン5.00は1990年末にリリースされた。これには2相コミットとストアドプロシージャによる分散トランザクション機能が含まれている。
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