1969年フランスグランプリ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/08 09:53 UTC 版)
| レース詳細 | |||
|---|---|---|---|
| 1969年F1世界選手権全11戦の第5戦 | |||
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シャレード・サーキット (1958-1988)
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| 日程 | 1969年7月6日 | ||
| 正式名称 | LV Grand Prix de France | ||
| 開催地 | シャレード・サーキット |
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| コース | 恒久的レース施設 | ||
| コース長 | 8.055 km (5.005 mi) | ||
| レース距離 | 38周 306.090 km (190.196 mi) | ||
| 決勝日天候 | 晴(ドライ) | ||
| ポールポジション | |||
| ドライバー | マトラ-フォード | ||
| タイム | 3:00.6 | ||
| ファステストラップ | |||
| ドライバー | |
マトラ-フォード | |
| タイム | 3:02.7 (27周目) | ||
| 決勝順位 | |||
| 優勝 | マトラ-フォード | ||
| 2位 | マトラ-フォード | ||
| 3位 | ブラバム-フォード | ||
1969年フランスグランプリ (1969 French Grand Prix) は、1969年のF1世界選手権第5戦として、1969年7月6日にシャレード・サーキットで開催された。
わずか13台の参加にとどまったレースは38周で行われ、マトラのジャッキー・スチュワートがポール・トゥ・ウィンで優勝し、チームメイトのジャン=ピエール・ベルトワーズが2位、ブラバムのジャッキー・イクスが3位となった。
背景
クレルモン=フェランでのフランスGP開催は1965年以来4年ぶりで、その間はランス、ル・マン、ルーアンで開催された[1]。
エントリー
BRMは前戦オランダGPでのP139の悲惨なデビューに続き[1]、チーフエンジニアのトニー・ラッドが更迭され[2]、本レースを欠場した。ジャック・ブラバムは本レース直前の6月30日、シルバーストン・サーキットでテスト中に足首を骨折する事故を起こしたため欠場を余儀なくされた[1][3]。ロータスは、エンジニア兼ドライバーのジョン・マイルズに四輪駆動車の63を用意した[1][4]。
BRMの欠場により、フォード・コスワース・DFVエンジンを搭載しないマシンはフェラーリ1台のみとなり、さらにブラバムの欠場もあって参加台数はわずか13台にとどまった[1]。
エントリーリスト
| チーム | No. | ドライバー | コンストラクター | シャシー | エンジン | タイヤ |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | ロータス | 49B | フォード・コスワース DFV 3.0L V8 | F | ||
| 14 | 63 | |||||
| 15 | 49B | |||||
| 2 | マトラ | MS80 | フォード・コスワース DFV 3.0L V8 | D | ||
| 7 | ||||||
| 3 | ロータス | 49B | フォード・コスワース DFV 3.0L V8 | F | ||
| 4 | マクラーレン | M7A | フォード・コスワース DFV 3.0L V8 | G | ||
| 5 | M7C | |||||
| 6 | フェラーリ | 312/69 | フェラーリ 255C 3.0L V12 | F | ||
| 8 | ブラバム | BT26A | フォード・コスワース DFV 3.0L V8 | G | ||
| 11 | ||||||
| 9 | ブラバム | BT26A | フォード・コスワース DFV 3.0L V8 | D | ||
| 10 | マクラーレン | M7B[4] | フォード・コスワース DFV 3.0L V8 | G | ||
| 12 | ブラバム | BT24 | フォード・コスワース DFV 3.0L V8 | G | ||
| ソース:[5] | ||||||
- 追記
予選
マトラのジャッキー・スチュワートが2番手のデニス・ハルム(マクラーレン)に2秒近い差を付けてポールポジションを獲得した。スチュワートとハルムがフロントローを獲得し、ヨッヘン・リント(ロータス)とジャッキー・イクス(ブラバム)が2列目、母国グランプリのジャン=ピエール・ベルトワーズ(マトラ)と唯一の非DFV搭載車を駆るクリス・エイモン(フェラーリ)が3列目を占めた。前年度王者のグラハム・ヒルは8番手に終わり、7番手のブルース・マクラーレンとともに4列目に甘んじた[1]。
予選結果
| 順位 | No. | ドライバー | コンストラクター | タイム | 差 | グリッド |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | マトラ-フォード | 3:00.6 | - | 1 | |
| 2 | 4 | マクラーレン-フォード | 3:02.4 | +1.8 | 2 | |
| 3 | 15 | ロータス-フォード | 3:02.5 | +1.9 | 3 | |
| 4 | 11 | ブラバム-フォード | 3:02.6 | +2.0 | 4 | |
| 5 | 7 | マトラ-フォード | 3:02.9 | +2.3 | 5 | |
| 6 | 6 | フェラーリ | 3:04.2 | +3.6 | 6 | |
| 7 | 5 | マクラーレン-フォード | 3:05.5 | +4.9 | 7 | |
| 8 | 1 | ロータス-フォード | 3:05.9 | +5.3 | 8 | |
| 9 | 3 | ロータス-フォード | 3:06.3 | +5.7 | 9 | |
| 10 | 10 | マクラーレン-フォード | 3:08.3 | +7.7 | 10 | |
| 11 | 9 | ブラバム-フォード | 3:09.9 | +9.3 | 11 | |
| 12 | 14 | ロータス-フォード | 3:12.8 | +12.2 | 12 | |
| 13 | 12 | ブラバム-フォード | 3:14.6 | +14.0 | 13 | |
決勝
ジャッキー・スチュワートが終始トップを走り、今季4勝目を挙げた[1]。また、ファステストラップも記録し、自身初のグランドスラム[注 1]も達成した[9]。デニス・ハルムはスチュワートを追ったが、13周目にフロントロールバーが壊れてピットインしなければならなかった。これでジャッキー・イクスが2位に浮上したが、レースの大部分でジャン=ピエール・ベルトワーズからのプレッシャーにさらされた。イクスが最終ラップでミスを犯し、2台目のマトラを駆るベルトワーズが2位に浮上し、地元フランスの観客の前でマトラが初の1-2フィニッシュを達成した[1]。
スペインGPの事故から復帰後も体調が不完全であった[10]ヨッヘン・リントは4位を走行していたが、曲がりくねったコースにより体調不良を引き起こし、同様の問題を抱えていたブルース・マクラーレンに抜かれた直後にリタイアした。マクラーレンは最後まで走りきり、彼のマシン(マクラーレン・M7B)を走らせるプライベーターのビック・エルフォードをわずかに上回り4位でフィニッシュした。精彩を欠いたグラハム・ヒルは6位入賞が精一杯だった[1]。唯一の非DFV搭載車となったフェラーリのクリス・エイモンは、エンジンのピストンが壊れてリタイアした[11]。
レース結果
| 順位 | No. | ドライバー | コンストラクター | 周回数 | タイム/リタイア原因 | グリッド | ポイント |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | マトラ-フォード | 38 | 1:56:47.4 | 1 | 9 | |
| 2 | 7 | マトラ-フォード | 38 | +57.1 | 5 | 6 | |
| 3 | 11 | ブラバム-フォード | 38 | +57.3 | 4 | 4 | |
| 4 | 5 | マクラーレン-フォード | 37 | +1 Lap | 7 | 3 | |
| 5 | 10 | マクラーレン-フォード | 37 | +1 Lap | 10 | 2 | |
| 6 | 1 | ロータス-フォード | 37 | +1 Lap | 8 | 1 | |
| 7 | 12 | ブラバム-フォード | 36 | +2 Laps | 13 | ||
| 8 | 4 | マクラーレン-フォード | 35 | +3 Laps | 2 | ||
| 9 | 3 | ロータス-フォード | 34 | +4 Laps | 9 | ||
| Ret | 6 | フェラーリ | 30 | エンジン | 6 | ||
| Ret | 15 | ロータス-フォード | 22 | 体調不良 | 3 | ||
| Ret | 9 | ブラバム-フォード | 21 | シャシー | 11 | ||
| Ret | 14 | ロータス-フォード | 1 | 燃料ポンプ | 12 | ||
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ソース:[12]
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- ジャッキー・スチュワート - 3:02.7(27周目)
- ジャッキー・スチュワート - 38周 (全周回)
第5戦終了時点のランキング
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- 注: トップ5のみ表示。前半6戦のうちベスト5戦及び後半5戦のうちベスト4戦がカウントされる。
脚注
注釈
- ^ 1つのレースでポールポジション、ファステストラップ、優勝、全周回トップを達成すること。詳細は当該項目を参照。
出典
- ^ a b c d e f g h i “French GP, 1969”. grandprix.com. 2019年11月18日閲覧。
- ^ (林信次 1995, p. 91)
- ^ (林信次 1995, p. 83)
- ^ a b (林信次 1995, p. 90)
- ^ “France 1969 - Race entrants”. STATS F1. 2019年11月15日閲覧。
- ^ “France 1969 - Result”. STATS F1. 2019年11月15日閲覧。
- ^ “France 1969 - Qualifications”. STATS F1. 2019年11月15日閲覧。
- ^ “France 1969 - Starting grid”. STATS F1. 2019年11月15日閲覧。
- ^ “The 7 Drivers With The Most F1 Grand Slams”. wtf1 (2017年6月2日). 2019年11月18日閲覧。
- ^ (林信次 1995, p. 80)
- ^ (アラン・ヘンリー 1989, p. 247)
- ^ “1969 French Grand Prix”. formula1.com. 2015年1月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年12月22日閲覧。
- ^ “France 1969 - Best laps”. STATS F1. 2019年11月18日閲覧。
- ^ “France 1969 - Laps led”. STATS F1. 2019年11月18日閲覧。
- ^ a b “France 1969 - Championship”. STATS F1. 2019年3月15日閲覧。
参照文献
- Wikipedia英語版 - en:1969 French Grand Prix(2019年3月15日 11:58:13(UTC))
- Lang, Mike (1982). Grand Prix! Vol 2. Haynes Publishing Group. pp. 96–97. ISBN 0-85429-321-3
- 林信次『F1全史 1966-1970 [3リッターF1の開幕/ホンダ挑戦期の終わり]』ニューズ出版、1995年。 ISBN 4-938495-06-6。
- アラン・ヘンリー『チーム・フェラーリの全て』早川麻百合+島江政弘(訳)、CBS・ソニー出版、1989年12月。 ISBN 4-7897-0491-2。
外部リンク
| 前戦 1969年オランダグランプリ |
FIA F1世界選手権 1969年シーズン |
次戦 1969年イギリスグランプリ |
| 前回開催 1968年フランスグランプリ |
次回開催 1970年フランスグランプリ |
- 1969年フランスグランプリのページへのリンク