1962年アメリカグランプリとは? わかりやすく解説

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1962年アメリカグランプリ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/16 14:39 UTC 版)

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 1962年アメリカグランプリ
レース詳細
1962年F1世界選手権全9戦の第8戦
ワトキンズ・グレン(1956–1970)
日程 1962年10月7日
正式名称 V United States Grand Prix
開催地 ワトキンズ・グレン・グランプリ・サーキット
アメリカ合衆国 ニューヨーク州 ワトキンズ・グレン
コース 恒久的レース施設
コース長 3.78 km (2.35 mi)
レース距離 100周 378 km (235 mi)
決勝日天候 晴 (ドライ)
ポールポジション
ドライバー ロータス-クライマックス
タイム 1:15.8
ファステストラップ
ドライバー ジム・クラーク ロータス-クライマックス
タイム 1:15.0 (70周目)
決勝順位
優勝 ロータス-クライマックス
2位 BRM
3位 クーパー-クライマックス

1962年アメリカグランプリ (1962 United States Grand Prix) は、1962年のF1世界選手権第8戦として、1962年10月7日ワトキンズ・グレン・グランプリ・サーキットで開催された。

本レースは100周で行われ、ロータスジム・クラークポール・トゥ・ウィンを飾り、BRMグラハム・ヒルが2位、クーパーブルース・マクラーレンが3位となった。

レース概要

ロータスの新星ジム・クラークがシーズン3勝目を挙げ、2位に終わったグラハム・ヒルとの差を9点に縮め、ドライバーズチャンピオン争いに望みをつないだ。ブルース・マクラーレンは1周遅れだったが3位となった。

フェラーリは3年連続で、アメリカGPのために大西洋を渡らないことが決まった。チームにとっては悲惨な一年で、前年のチャンピオンが未勝利でコンストラクターズランキング6位に沈んだ。1.5Lレギュレーションの2年目にクライマックスBRMによって投入された強力な新型V8エンジンが1962年シーズンを席巻し、1961年のフェラーリの利点は完全に消えてしまった。

その結果、フィル・ヒルは母国グランプリに出場できず、さらに悪いことに彼が解雇されたという情報が、グレンの信頼できる情報源から得られたのです!

金曜日の予選は、グラハム・ヒルとリッチー・ギンサーのBRM勢、クラーク、ジャック・ブラバム(デビュー2戦目のブラバム・BT3)が前年のコースレコード1分18秒2を上回った。クラークはその後、1分15秒8という驚異的なタイムを出し、2.5L時代にスターリング・モスが記録したタイムをも上回った。土曜日は雨が降ったため金曜日のタイムを上回れず、トップ6はクラーク、ギンサー、グラハム・ヒル、ダン・ガーニー、ブラバム、マクラーレンの順となった。

日曜日のレースは、4万人のファンが寒さと雨の脅威にさらされた。スタートでクラークがリードし、グラハム・ヒルは彼の後ろの2番手に飛び込んだ。以下、ギンサー、ブラバム、ガーニー、マクラーレンが続くが、チャンピオンを争うクラークとヒルが引き離し、3周目には早くもラップレコードを上回った。ガーニーはブラバムとギンサーを抜いて3位に浮上したが、11周目の「ループ」でハーフアウトしてしまい、ギンサーの後ろに下がった。

12周目、レースを先導するクラークとヒルは既に周回遅れをパスするところまで来ていた。クラークがトラフィックに引っかかる間に、ヒルがクラークを抜きトップに立った。しかし、クラークは19周目に予選タイムより速い1分15秒4を出し、ラップレコードを更新してヒルを抜き返した。ギンサーはギアボックスの不調に苦しんだが、35周目にシフトミスでエンジンがブローするまで素晴らしい走りを見せた。

クラークがヒルの前で快調に首位を走行する中、マクラーレンが3位のガーニーに迫り、57周目に追い抜いた。ガーニーのポルシェエンジンはパワーロスし始め、69周目にブラバムにも抜かれた。ブラバムは4位に入賞し、コンストラクター「ブラバム」としての初ポイントを獲得した。

クラークとヒルは3位以下を周回遅れにした。クラークは70周目に1分15秒0のファステストラップを記録し、チーム・ロータスへ2度目のアメリカGP優勝をもたらすために最大で17秒あったリードを緩めていった。「私は先頭に立ち、そこにとどまり続ける作戦を立てた」とクラークは語った。「スタート直前にドライコンディション向けのセッティングを施した。雨が止んだままで嬉しいよ!」クラークがチェッカーフラッグを受けた瞬間、霧雨が降り始めた。

エントリーリスト

フェラーリはカーナンバー1、2、3でエントリーしていたが、前述の通り欠場したため空き番となった。ロブ・ウォーカー・レーシングチームモーリス・トランティニアンリカルド・ロドリゲスの2台をエントリーしていたが、トランティニアンのみの出場となったため、ロドリゲスが使用する予定だったカーナンバー7も空き番となった。

チーム No. ドライバー コンストラクター シャシー エンジン
スクーデリア・フェラーリ SpA SEFAC 1 ウィリー・メレス 1 フェラーリ 156 フェラーリ Tipo178 1.5L V6
2 ロレンツォ・バンディーニ 1
3 ジャンカルロ・バゲッティ 1
オーウェン・レーシング・オーガニゼーション 4 グラハム・ヒル BRM P57 BRM P56 1.5L V8
5 リッチー・ギンサー
ロブ・ウォーカー・レーシングチーム 6 モーリス・トランティニアン ロータス 24 クライマックス FWMV 1.5L V8
7 リカルド・ロドリゲス 1
チーム・ロータス 8 ジム・クラーク ロータス 25 クライマックス FWMV 1.5L V8
9 トレバー・テイラー
ポルシェ・システム・エンジニアリング 10 ダン・ガーニー ポルシェ 804 ポルシェ 753 1.5L F8
11 ヨアキム・ボニエ
フィル・ヒル 2
エキュリー・マールスベルゲン 12 カレル・ゴダン・ド・ボーフォール ポルシェ 718 ポルシェ 547/3 1.5L F4
デュポン・チーム・ゼレックス 14 ロジャー・ペンスキー ロータス 24 クライマックス FWMV 1.5L V8
UDT・レイストール・レーシングチーム 15 イネス・アイルランド ロータス 24 クライマックス FWMV 1.5L V8
16 マステン・グレゴリー BRM P56 1.5L V8
ブラバム・レーシング・オーガニゼーション 17 ジャック・ブラバム ブラバム BT3 クライマックス FWMV 1.5L V8
ヨーマン・クレジット・レーシングチーム 18 ジョン・サーティース ローラ Mk4 クライマックス FWMV 1.5L V8
19 ロイ・サルヴァドーリ
クーパー・カー・カンパニー 21 ブルース・マクラーレン クーパー T60 クライマックス FWMV 1.5L V8
22 トニー・マグス
23 ティミー・メイヤー T53 クライマックス FPF 1.5L L4
ハップ・シャープ 24 ハップ・シャープ クーパー T53 クライマックス FPF 1.5L L4
ジム・ホール 25 ジム・ホール ロータス 21 クライマックス FPF 1.5L L4
ジョン・メコム 26 ロブ・シュローダー ロータス 24 クライマックス FPF 1.5L L4
ソース:[1]
追記
  • タイヤは全車ダンロップ
  • ^1 - エントリーしたが出場せず
  • ^2 - P.ヒルは予選のみボニエのマシンをドライブ

結果

予選

順位 No. ドライバー コンストラクター タイム グリッド
1 8 ジム・クラーク ロータス-クライマックス 1:15.8 1
2 5 リッチー・ギンサー BRM 1:16.6 +0.8 2
3 4 グラハム・ヒル BRM 1:16.7 +0.9 3
4 10 ダン・ガーニー ポルシェ 1:16.9 +1.1 4
5 17 ジャック・ブラバム ブラバム-クライマックス 1:16.9 +1.1 5
6 21 ブルース・マクラーレン クーパー-クライマックス 1:17.3 +1.5 6
7 16 マステン・グレゴリー ロータス-BRM 1:17.9 +2.1 7
8 9 トレバー・テイラー ロータス-クライマックス 1:18.0 +2.2 8
9 11 ヨアキム・ボニエ ポルシェ 1:19.0 +3.2 9
10 22 トニー・マグス クーパー-クライマックス 1:19.7 +3.9 10
11 19 ロイ・サルヴァドーリ ローラ-クライマックス 1:19.8 +4.0 DNS
12 23 ティミー・メイヤー クーパー-クライマックス 1:20.7 +4.9 11
13 14 ロジャー・ペンスキー ロータス-クライマックス 1:21.3 +5.5 12
14 12 カレル・ゴダン・ド・ボーフォール ポルシェ 1:21.8 +6.0 13
15 24 ハップ・シャープ クーパー-クライマックス 1:22.4 +6.6 14
16 15 イネス・アイルランド ロータス-クライマックス 1:24.0 +8.2 15
17 26 ロブ・シュローダー ロータス-クライマックス 1:24.0 +8.2 16
18 25 ジム・ホール ロータス-クライマックス 1:24.7 +8.9 DNS
19 6 モーリス・トランティニアン ロータス-クライマックス 1:25.8 +10.0 17
20 18 ジョン・サーティース ローラ-クライマックス 1:29.2 +13.4 18
21 11 フィル・ヒル ポルシェ 1:32.6 +16.8 DNS
ソース:[2]

決勝

順位 No. ドライバー コンストラクター 周回数 タイム/リタイア原因 グリッド ポイント
1 8 ジム・クラーク ロータス-クライマックス 100 2:07:13.0 1 9
2 4 グラハム・ヒル BRM 100 +9.2 3 6
3 21 ブルース・マクラーレン クーパー-クライマックス 99 +1 Lap 6 4
4 17 ジャック・ブラバム ブラバム-クライマックス 99 +1 Lap 5 3
5 10 ダン・ガーニー ポルシェ 99 +1 Lap 4 2
6 16 マステン・グレゴリー ロータス-BRM 99 +1 Lap 7 1
7 22 トニー・マグス クーパー-クライマックス 97 +3 Laps 10
8 15 イネス・アイルランド ロータス-クライマックス 96 +4 Laps 15
9 14 ロジャー・ペンスキー ロータス-クライマックス 96 +4 Laps 12
10 26 ロブ・シュローダー ロータス-クライマックス 93 +7 Laps 16
11 24 ハップ・シャープ クーパー-クライマックス 91 +9 Laps 14
12 9 トレバー・テイラー ロータス-クライマックス 85 +15 Laps 8
13 11 ヨアキム・ボニエ ポルシェ 79 +21 Laps 9
Ret 5 リッチー・ギンサー BRM 35 エンジン 2
Ret 6 モーリス・トランティニアン ロータス-クライマックス 32 ブレーキ 17
Ret 23 ティミー・メイヤー クーパー-クライマックス 31 イグニッション 11
Ret 18 ジョン・サーティース ローラ-クライマックス 19 エンジン 18
Ret 12 カレル・ゴダン・ド・ボーフォール ポルシェ 9 アクシデント 13
DNS 19 ロイ・サルヴァドーリ ローラ-クライマックス マシンをサーティースに譲る
DNS 25 ジム・ホール ロータス-クライマックス エンジン
DNS 11 フィル・ヒル ポルシェ ボニエのマシンをドライブ
ソース:[3]
ラップリーダー[4]

第8戦終了時点のランキング

  • : トップ5のみ表示。ベスト5戦のみがカウントされる。ポイントは有効ポイント、括弧内は総獲得ポイント。

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ USA 1962 - Race entrants”. statsf1.com. 2018年8月19日閲覧。
  2. ^ USA 1962 - Qualifications”. statsf1.com. 2018年8月19日閲覧。
  3. ^ 1962 United States Grand Prix”. formula1.com. 2014年12月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年9月20日閲覧。
  4. ^ USA 1962 - Laps led”. statsf1.com. 2018年8月18日閲覧。

参照文献

外部リンク

前戦
1962年イタリアグランプリ
FIA F1世界選手権
1962年シーズン
次戦
1962年南アフリカグランプリ
前回開催
1961年アメリカグランプリ
アメリカグランプリ 次回開催
1963年アメリカグランプリ



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