黄緑
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/01 06:36 UTC 版)
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16進表記 | #B9C42F |
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RGB | (185, 196, 47) |
CMYK | (26, 12, 91, 4) |
HSV | (64°, 76%, 77%) |
マンセル値 | 2.5GY 7.5/11[1] |
表示されている色は一例です |
「黄緑」の歴史は浅く、明治時代に使われ始めた複合語である[2]。
「黄緑」を示す単色光の波長は、およそ545nmから565nm程度であり、短波長になるほど緑みがかった色に、長波長になるほど黄みがかった色になる。
下の色見本で、左は黄みの黄緑、右は緑みの黄緑である。
右はJISで定められたマンセル値に基づき再現された色見本である。
明度が違う黄緑色を2つ並べた場合、ベゾルト-ブリュッケ現象により、波長が同じであっても、明るい方の色は黄色に近く、暗い方の色は緑色に近く見える。LEDなどの光源色の黄緑色が、色鉛筆や絵具など、物体色の黄緑色よりも黄色がかって見えるのはこの現象による。なお、電化製品などで一般的に「緑」と書かれているLED(多くの場合、電源などの状態で赤または橙色と緑色のいずれかに光る)の波長は565nmで、黄緑色の領域である。
黄緑色と色覚異常
色覚異常の場合、色覚の特性や照明、その色明るさ等によっては、黄緑色は橙色・黄色のいずれかに見える場合も多い。多くの場合、黄緑色と黄色はほとんど同じ色である。当事者への配慮として色による分類や地図などには、黄緑色と黄土色の併用など混同する可能性が高い色の組み合わせは避けることが望ましい。実際、この記事の「マンセル値に基づき再現された黄緑色」は、色覚異常の者の中に、黄土色や暗い黄色との区別が非常に困難である者も多い。あえて黄緑色を使う際は、緑色に近い黄緑色を使うことで、軽度の色覚異常者であれば黄色や橙色との混同をさけることができるが、強度の色覚異常者には緑色に近い黄緑色であっても識別は難しい。
同明度で薄い橙色・黄緑色・青緑色を並べた際、正常色覚の人には黄緑色と青緑色の区別は難しい一方、黄緑色と橙色は全く違う色に見える。しかし、色覚異常の人には橙色と黄緑色がよく似た色に見える一方、青緑色は全く別の色に見える。これは「赤と緑」「青と黄色」という心理4原色の対比のうち、正常色覚者は「赤と緑」の対比が優勢であるのに対し、色覚異常者は「青と黄色」の対比が優勢であることによる。橙色と黄緑色はどちらも黄色みを共有しており、前者が赤みを、後者が緑みを帯びている。それに対し、黄緑色と青緑色はどちらも緑みを共有しており、前者が黄みを、後者が青みを帯びている。色覚の違いによって、見分け易さの異なる典型である。
また、青みの濃い一般的な緑は相対的に低明度だから白との対照が目立つのに対して、黄緑色は相対的に高明度であり、白ではなく黒との対比・対照の方が目立つ色である。
近似・関連色
脚注
- ^ JIS Z 8102:2001「物体色の色名」(日本産業標準調査会、経済産業省)
- ^ 近江源太郎 『色の名前に心を読む 色名学入門』研究社、2008年、60頁 。
参考文献
- “日本工業規格(JIS)「物体色の色名」における慣用色名、系統色名、マンセル値および色見本”. 2019年12月2日閲覧。
関連項目
「黄緑色」の例文・使い方・用例・文例
- 壁は淡黄緑色に塗られていた。
- 鼻汁は黄緑色です。
- 適度に、どこか鈍い黄緑色の
- 未熟のオリーブの色と同様の黄緑色の
- 中彩度で、若干黄緑色の
- 単一または分岐するフィラメントを持つ黄緑色の藻類
- 主にイチジクと他の果実を主食にする黄緑色のオーストラリア産コウライウグイス
- 小さな黒い縞模様のある緑色若しくは黄緑色の小型ヒキガエル
- 緑膿の病原菌から得た、黄緑色の抗生物質の混合物
- 青緑色から黄緑色にわたる薄い緑色
- 明度と彩度の低い黄緑色
- フロリダ南部産の黄緑色の小さなライム
- 黄緑色のナシ
- 紫色に覆われた、帽子状の長い包葉のある、緑色から黄緑色の花を持つラン
- オレゴン南西部とカリフォルニア北部の小川や小さな泉に沿って生え、白い嚢状胞がある多くの黄緑色のランの花をしばしば持つ
- 太平洋岸の小型の装飾用常緑樹で、光沢のある黄緑色の葉は下部が黄色い
- トリリウムに似てそれに緊密に関連する黄緑色のヨーロッパの植物
- 紫がかった黄緑色の花が房になる落葉性の巻きつき低木
- アメリカ東部の、甘い香りのするウルシで、三裂葉と尾状花序に似た穂状花序の黄緑色の花と毛に被われた赤い果実をつける
- 単生で下垂する黄緑色の花をつけ、下に広い翼弁がついて少しねじれた嚢状葉を持つ、沼地または湿地の香草
黄・緑色と同じ種類の言葉
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