魔女狩りの方法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/04/21 05:43 UTC 版)
「マシュー・ホプキンス」の記事における「魔女狩りの方法」の解説
彼は町や村、もしくはその近郊に住む女性で、貧しく教養がない、あるいは友人が少ないといった特徴のある者を選んで魔女に仕立て上げていた。隣近所との交際も乏しい孤立した人は、代償として犬や猫などのペットを飼っていることが多いため、それを使い魔であるとでっち上げて魔女の証拠にする場合もあった。 当時のイングランドの法律では拷問が禁止されていたため、彼は様々に工夫を凝らし、違法すれすれのやり方を用いた。主な手段は、容疑者を長期間眠らせず部屋の中で歩行を続けさせ、疲労のため意識がもうろうとなった状態で誘導尋問を行ない、魔女であるとの自白を引き出すというものである。それでも効果がない時は、魔女判別方法として知られていた「水責め」(スイミングと呼ばれる)を用いた。当時、水は聖なるもので魔女を受け入れないので、魔女は水に浮くという言い伝えがあり、魔女と疑われる人物を紐で縛り上げ、水に入れて浮かべば有罪、沈めば無罪とする方法であった。しかし、有罪ならばもちろん死刑、無罪となっても溺死する事が多く、当然公正ではない手法である。それでもホプキンスが水責めを行なうことが出来たのは、彼が「確実に人を水に浮かばせることが出来た」ためであった。むろん、何らかのトリックを用いたことは疑う余地がない。 さらに、ホプキンスは「針刺し」と呼ばれる方法も使用した。魔女は悪魔との契約の証しとして体のどこかにマークを付けられ、その箇所は針を刺しても痛みがなく血も出ないと考えられていたので、魔女の容疑者の全身に針を刺してマークを探す作業が広く行なわれた。 そのため針刺しを専門に実施する業者が各地で開業し、ホプキンスもその一人であった。しかし彼らの中には作為をして無実の人を魔女に仕立て上げる場合が少なくなかった。右の図は針刺しに用いられた針で、左側のものが初期に用いられたものである。中央のものは容疑者の体に押し当てると針の部分が柄の中に引っ込む仕掛けになったおり、結果として痛みも出血もない魔女マークの発見、となる。右はそのような偽りを防止するために工夫された型である。ホプキンスもこのような不正で多くの魔女を捏造し、多額の報酬を得た。
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