香味庵クラブ
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「山形国際ドキュメンタリー映画祭」の記事における「香味庵クラブ」の解説
交流広場「香味庵クラブ」は山形国際ドキュメンタリー映画祭の名物。 1989年の第1回目の映画祭時、上映後の深夜に行き場のなくなったゲストや観客たちは、コンビニエンスストアの店先や歩道に座り込んで映画談義を行っていたという。その窮状を見かね、社会奉仕活動をしている青年会議所のOBらが掛け合い、老舗漬物店丸八やたら漬の店舗に併設された郷土料理店「香味庵まるはち」(山形市旅籠町二丁目)を、午後10時以降開放してもらえることになった。毎回、監督や映画関係者、観客による映画談義が未明まで続く。この交流によって、観客から作り手へと転身する者もいる。店名に基づき「香味庵クラブ」と名付けられた。現在、山形ビューティフルコミッションを中心とするボランティア団体、さらに市民有志の協力により、運営を行っている。 入場料は500円。おつまみと飲み物が付き、芋煮や漬物は無料で食べることができる。映画祭開催初期のアジア経済は発展途上にあり、日本でのコーヒー1杯分のお金で故国の家族が1日生活できていた。せっかく訪れているのだから山形を知って味わってもらいたいという思いから低価格で集まれる場を形成した、と山形新聞の掲載記事でYIDFF「やまがたと映画」特集コーディネーターだった富塚正輝は語っている。合言葉は「ヤマガタに行ったらコウミアンへ」「香味庵で会いましょう」。 だが、漬物の需要低迷に新型コロナウイルス感染拡大が重なり、丸八やたら漬は2020年5月末で廃業することになった。店舗と土地は東京のマンション事業者に売却され、国登録有形文化財の建物は取り壊される見通しである。
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