食材としてのタケノコ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/09 01:57 UTC 版)
春先、地面から芽が出かけているものをタケノコとして食用にし、旬は4 - 5月とされる。一般に食用にするのは地上に稈が出現する前後のものである。タケノコは地上に現れると次第に固くなり、えぐみも強くなるため、穂先が出るか出ないうちに収穫する。ただし、先述のように広義には竹の皮(稈鞘)が稈に付着していて離脱するまでのものはタケノコであり、特にタケが大きく伸びた後でも先端部のみが竹の皮に覆われている場合にはその先端部のみを「穂先タケノコ」と称して食用とする種もある。収穫されたタケノコは、先端、中央部、根元部分でそれぞれ食感に違いがある。 形はずんぐりして穂先が黄色っぽく、外皮はツヤがあり薄茶色のもので、根元の周囲に出た赤紫色の突起が小さめのが良く、この突起が大きくて濃い紫色になっていると食材としては育ちすぎの場合がある。タケノコは掘り上げてからの鮮度落ちが極端に早く、時間が経つとかたくなると同時に灰汁が増えてえぐみが増すため、掘って収穫したその日のうちに調理するか灰汁抜きして下ごしらえするのが理想といわれている。そのため、おいしくタケノコを食べるためには鮮度が重要であり、すぐに食べない場合は生のままではなく、下茹でしてから保存する。下茹では収穫後できるだけ早く茹でて皮を剥いて、さらに10分ほど茹でたら水にとって冷ましておく。茹でたタケノコは容器に水を張って入れておき、毎日水代えして冷蔵保存すれば、5 - 6日ほど日持ちする。茹でたタケノコを皮付きのままラップなどに包んで冷蔵しても、1週間ほど保存できる。 タケノコの加工品としては、水煮の缶詰がある。タケノコの水煮は、春の旬の時期以外でも通年市販されており、南九州で多く出回っている細いタイプはコサンチク(鼓山竹:ホテイチクの別称)、関東などで多く出回っている大きいものはモウソウチク(孟宗竹)などの種類がある。水煮の断面に見られる白い粉状のものは、茹でることによって出てくるチロシンというアミノ酸物質で、取り除かずにそのまま食べられる。
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