非犯罪化に賛成する意見
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/26 15:18 UTC 版)
「セックスワーカー」の記事における「非犯罪化に賛成する意見」の解説
非犯罪化を支持する論点では、セックスワークは労働であり、その中に存在する経済的搾取は他産業においても共通の物で、労働法により改善されるべきだという考えを基本とする。 そもそもセックスワークの違法化は、セックスワーカーの立場を弱め、顧客や第三者からの搾取や暴力に晒されやすい状況を作っていると指摘する。例えば、売春の違法化が実質的に成功している例は少なく、法規制はセックスワーカーにとって危険性が多い地下経済に移行するだけだという意見もある。 セックスワーカーたちは自身の職業が社会規範に反していたり、違法だというスティグマから、差別にさらされ、社会的支援や公的支援が受けにくいという指摘もある。例えば、AV出演強要、客の不払い、客やポン引きによる暴力や強姦などの犯罪行為に巻き込まれたとしても、病院や警察などに相談することが難しく、それが社会的不公平や貧困問題の助長につながっているとの指摘もある。また、セックスワークの違法性から警察官によるゆすり、セクハラ、レイプなども発生している。 そういったセックスワーカーの法的立場を保証する為に、セックスワーカーは取り締まらず、買春(顧客)のみを取り締まる買春の犯罪化(英語版)モデルもスウェーデンなどで実施されている。しかし、実際には摘発を恐れた顧客との交渉は、人目のない路地や郊外に限られたり、交渉の時間的余裕もないことから顧客が危険な人物かどうかの十分な精査ができない状況にセックスワーカーを晒されす事により、危険性が増加するという指摘もある。 また、「セックスワーカーは貧困に晒された女性であり、保護されるべきである」という印象がそもそも社会的スティグマによるもので、実際のセックスワーカーの多様性を反映していないという指摘もある。セックスワークの犯罪化は、個人の身体的な自己決定権や職業選択の自由を侵すいう意見もある。
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